現代社会ではほとんどの人がスマホを持ち、SNSや動画サイトなどを1日に何時間も観ています。
昔より簡単に情報を得ることが出来るようになったが、それが“真実なのか嘘なのか”見分けるのが難しくなった。
SNSの発達により新たな出会いや交流ができるようになったが、新しいかたちのイジメや詐欺なども増えた。
携帯がなかった時代と今では、どちらの社会がより良いのでしょうか。
2021年に公開されたNETFLIX映画「Don’t Look UP」ですが、最近までこの映画の存在は知りませんでした。
コメディ映画はあまり観ないんですが、レオナルド・ディカプリオを始め豪華役者陣が出演しているので観てみることにしました。
現代人への警告!?
はたまた予言なのか…
NETFLIX映画「Don’t Look UP」
映画.com & NETFLIX公式Xより
「ドント・ルック・アップ」(原題:Don’t Look UP)は、2021年公開のアメリカのブラックコメディ映画。
STORY
ミシガン州立大学で天文学を学ぶ大学院生のケイト・ディビアスキーは、すばる望遠鏡での観測で未知の彗星を発見した。彼女の教授のランドール・ミンディ博士は、彗星の軌道を計算し約6ヶ月後に地球に衝突することを突き止めた。NASAのテディ・オグルソープ博士もそれを確認し、ランドールたちはホワイトハウスに向かい大統領に人類滅亡の危機を伝えた。しかし、ジャニー・オーリアン大統領や主席補佐官は真剣に取り合ってくれない。迫り来る地球の危機をどう世界に伝えればいいのか!?
監督:アダム・マッケイ
上映時間:143分
人類滅亡より芸能ゴシップやSNS…
確かに“実話に基づくかもしれない”物語だね…
主演
レオナルド・ディカプリオ(ランドール・ミンディ博士役)
レオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオは、カリフォルニア州ロサンゼルス出身の俳優、脚本家、映画プロデューサー、環境活動家。
10代でCMやテレビドラマに出るようになり、1993年ジョニー・デップ主演の「ギルバート・グレイプ」で19歳の若さでアカデミー助演男優賞にノミネートされる。
その後も、1995年「バスケットボール・ダイアリーズ」1996年「ロミオ+ジュリエット」と出演を重ね、1997年ジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」で一躍スターとなる。
2002年マーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」に主演し高い評価を得る。
2004年、初めてプロデュースした「アビエイター」で再びスコセッシと組み、ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演男優賞を受賞。
それ以降も「ディパーテッド」「ブラッド・ダイヤモンド」「インセプション」などで主演し、2013年「ウルフオブウォールストリート」で再度スコセッシとタッグを組みゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。
また、映画人の他に環境活動家の一面を持っている。プリウスなどのハイブリッドカーを所有したり、代替肉やヴィーガン食品のハンバーガー開発会社などに投資している。
環境活動にも熱心なディカプリオですが、この作品に出演したのは進行する“環境汚染”を伝えるためでしょうか。
“気づいているのに何もしない”人類への警告とも言えるこの映画。
ディカプリオ本人は環境への影響を考えてプリウスに乗っているが、プライベートジェットにも乗っているということを突っ込まれている。
映画内でもブレた男を演じているので笑えます。
ジェニファー・ローレンス(ケイト・ディビアスキー役)
ジェニファー・シュレイダー・ローレンスは、アメリカ・ケンタッキー州ルイビル出身の女優。
14歳までに俳優になることを決め、自分をニューヨークに連れて行くよう両親を説得。
演技経験はなかったがオーデイションでは絶賛され、役者をするために高校を2年早く卒業した。
17歳で「あの日、欲望の大地で」に出演し監督から“メリル・ストリープの再来か”と絶賛され、第65回ヴェネツィア国際映画祭で新人俳優賞を受賞。
2010年「ウィンターズ・ボーン」でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、多くの国際映画祭でノミネートや受賞をした。
2012年「ハンガー・ゲーム」と「世界にひとつのプレイブック」に主演し、「世界にひとつのプレイブック」では22歳の若さで第85回アカデミー主演女優賞を受賞。
マーリー・マトリンに次いで、史上2番目に若い受賞者となった。
2013年「アメリカン・ハッスル」2015年「ジョイ」などでも、ゴールデングローブ助演女優賞、主演女優賞を受賞したりアカデミー賞にノミネートもされた。
プライベートでは、Appleの“iCloud”から自身の50枚以上のプライベートなヌード写真が流出するという被害に遭っている。
ジェニファー・ローレンス主演の映画は、私は観たことがありませんでした。
「ハンガー・ゲーム」が人気なのは知っていましたが、観ることなく現在に至ります。
ディカプリオとは対照的に、彼女は終始ブレることなく地球の危機を伝えようとします。
恋の描写はよくわかりませんでしたが、いい演技だったのではないでしょうか。
共演(アンサンブル・キャスト)
この作品は、多くの有名・実力派俳優が脇を固めています。
役者名 | 役名 | 説明 |
---|---|---|
メリル・ストリープ | ジャニー・オーリアン大統領 | アメリカ合衆国の大統領 |
ケイト・ブランシェット | ブリー・エヴァンティー | TV番組「the daily rip」の司会者 |
タイラー・ペリー | ジャック・ブレマー | TV番組「the daily rip」の司会者 |
ロブ・モーガン | クレイトン・“テディ”・オグルソープ博士 | NASAの惑星防衛調整局局長 |
ジョナ・ヒル | ジェイソン・オーリアン | 大統領の息子で首席補佐官 |
マーク・ライアンス | ピーター・イッシャーウェル | BASH(バッシュ)社CEOで大金持ち |
ティモシー・シャラメ | ユール | ケイトと出会う若者 |
アリアナ・グランデ | ライリー・ビーナ | 超人気歌手 |
キッド・カディ | DJ Chello | ライリーの恋人のラッパー |
ロン・パールマン | ベネディクト・ドラスク大佐 | 彗星破壊を任された軍人 |
ジョナ・ヒルはディカプリオの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にも出ていましたが、口数の多いクズ役がぴったりハマりますね。
個人的には、BASHのCEOを演じたピーター・イッシャーウェルのアンドロイドのような奇妙な演技が印象に残りました。
まるで感情がないイカれた権力者という感じで、金儲けと自己防衛しか頭にない男です。
アリアナ・グランデの歌が意外と良かったです。
映画やドラマで特定の主役を設定せず、役割が同じ複数の主要な俳優で構成するキャスティング
なかなか豪華なキャストたちだね
大統領とスティーブン・セガールの写真には笑ったよ
感想
インターネットが普及した現代の社会では、誰もがネットからいつでも好きな情報を入手できるようになりました。
情報伝達が簡単で速くなった反面で、偽情報も出回り惑わされることもあります。
自分の興味あることしか検索しない人も多く、今世界で何が起こっているのか全く知らない人もいます。
「Don’t Look UP」は、そんな現代社会を風刺したブラックコメディです。
観ているうちに“バカにして笑ってられないな”と思うようになります。
ランドール博士
ディカプリオが演じるランドール博士は、ケイトと共に彗星による人類の危機を大統領に伝えようとします。
しかし、大統領は真剣に取り合ってくれません。
メディアを使ってもダメ → 人気番組の司会者と不倫 → 奥さんに突撃される…
おいおい…何やってんだ…ブレまくりのランドール
ケイト・ディビアスキー
ケイトは必死でメディアで伝えたが、その甲斐もなくSNSで茶化されます。
ランドールとは違って、それでも彼女はブレません。
ティモシー・シャラメが演じるユールに出会いますが…何に惹かれた?動画撮って騒いでるだけの若者に。
彼と恋仲になる描写は、別にいらないんじゃないかと思いました。
オーリアン大統領
オーリアン大統領は、彗星による人類滅亡より目の前の中間選挙にしか興味がありません。
部屋にはスティーブン・セガールやクリントン元大統領との2ショット写真があります。
自分の身内を大統領首席補佐官にしたり、メディア向けに派手なパフォーマンスをする…どうやらトランプ大統領のパロディのようです。
ピーター・イッシャーウェル
BASHのCEOのイッシャーウェルは、オーリアン大統領のビッグスポンサーです。
彼もまた人類滅亡より利権を優先します。
どんな時でも利益を追求するその様子は、amazonのジェフ・ベゾスやSpaceXなどのイーロン・マスクなどGAFAのCEOたちのパロディと言えるでしょう。
一度しかないチャンスを逃しただけでなく、逃げ道まで考えていたとはロクな奴ではありません。
しかし、奇妙な演技でした。笑
この人どこ見て話してるの…
イカれてて笑えた
芸能ゴシップ
地球最大の危機のニュースより、人々は芸能ゴシップに興味があります。
呆れたものです…
日本でもよくトップニュースで芸能人の結婚や不倫を報道したりしますよね。
“もっと重要なニュースがあるだろ”っていつも思っています。
芸能人やスポーツ選手のゴシップなんてどうでもいいんですよ。
そうやってメディアは、本当に大事なものから目を逸らすよう仕向けます。
メディア
コロナ禍でいえば、メディアは芸能人や御用学者を使ってワクチンを打つように人々を促しました。
“ワクチンは危険だ”と訴えていた、世界中の科学者や研究者の声はかき消されました。
真実はいつも隠され、世の中は欺瞞(ぎまん)に満ちています…
政府やメディアを安易に信じることは、“非常に危険”だと言っておきましょう。
分断
彗星により人類が滅亡すると信じる人たち“Just Look UP”と、反対に彼らを信じない人たち“Don’t Look UP”に映画では分断されます。
そして、まるで大統領選のように、お互いを罵り合います。
アリアナ・グランデは“小林幸子状態”で歌っています。(結構いい歌)
そんなことやってる場合かよ!!
現実社会でもメディアが情報を操作して、分断を生み出し争いを起こすように促します。
騙されないように自ら調べて、多くの情報を精査していかなければなりません。
見て見ぬ振りはできない
この映画は、問題に気づいていながら何もしない現代人を皮肉っています。
日本の政治家を見てください。
脱税しても捕まらない、相続税も免除、世襲議員がやりたい放題、何をするにも税金を払わせて日本人の為に使わない…など、挙げればキリがないほど腐っています。
しかし、多くの国民がこれに気づき声を上げれば変わると思います。
エンドロール
エンドロールは最後まで観てください!
オチが残っています!
彼らの結末をご覧ください…
スッキリ!
恐らくブロンテロックだ
因果応報だな
まとめ
NETFLIX映画「Don’t Look UP」は、現代社会を風刺したブラックコメディです。
“そんなことあるわけない”と思いつつも、“もしかしたらこうなるんじゃないか”と思わされます。
スポーツやエンタメにばかり興味を注ぎ、大事なことを見逃している。
自分で考えずにメディアの言うことを鵜呑みにし、マジョリティこそ正しいと決めつける。
特に日本人は、“みんなそうしてるから自分もそうする”と言う人が多いです。
そう考えると日本人の場合、“Don’t Look UP”派の方が多いのかもしれません。
もし現実で“人類滅亡の危機”がきたら自分はどうするのか!?
今の自分は何を基準に物事を判断しているのか?
この映画は、そんなことを考えさせられる作品だと思います。
“笑えるけど笑えない”現代社会を風刺した映画「Don’t Look UP」
143分の作品ですが、それほど長くは感じません。
エンドロール後のオチまで見逃せない。
是非一度、視聴してみてはいかがでしょうか!
最後まで読んでいただきありがとうございました
Just Look UP!Just Look UP!