2015年に公開され、ディカプリオが念願の“アカデミー賞主演男優賞”を受賞した映画「レヴェナント:蘇えりし者」
そういえば、この作品はまだ観ていなかったのを思い出しました。
ガイ・リッチー監督の「コヴェナント/約束の救出」と似ていて紛らわしい。
“コヴェナント”は面白かったが、“レヴェナント”はどうでしょうか!?
ということで、やっと観ることとなりました。
チャミンアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ



監督賞も取ったね


映画「レヴェナント:蘇えりし者」
映画「レヴェナント:蘇えりし者」公式Xより
レヴェナント:蘇えりし者(原題:The Revenant)は、2015年にプレミア公開され2016年に劇場公開されたアメリカ製作のアクションドラマ映画。
原作は“マイケル・パンク”の小説「蘇った亡霊:ある復讐の物語」で、西部開拓時代に実在した罠漁師“ヒュー・グラス”の半生と過酷なサバイバルの旅を描いている。
第88回アカデミー賞で、“アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ”監督が監督賞、“レオナルド・ディカプリオ”が主演男優賞を受賞した。
STORY
1823年、アメリカ北西部の極寒地帯で地元民の“ヒュー・グラス”は、息子と共にアメリカの毛皮ハンターたちのガイドをしていた。先住民からの襲撃を受け山越のルートを進む中、グラスは子連れのグリズリーに襲われ大怪我を負ってしまう。瀕死のグラスだったが、仲間の裏切りにより最愛の息子“ホーク”の命が奪われてしまう。奇跡的な回復力で死の淵から蘇えったグラスは、息子の復讐のため厳しい大自然の中“ジョン・フィッツジェラルド”を追う。
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
上映時間:156分



レオ様念願のアカデミー賞獲得!



音楽が坂本龍一だったとはね
監督
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
アレハンドロ・G・イニャリトゥは、メキシコ・メキシコシティ出身のメキシコの映画監督、脚本家、映画プロデューサー。
メキシコシティで生まれ育ち、イベロアメリカーナ大学へ進学した。
この時期にラジオ局でディスクジョッキーをしたり、テレビ番組やコンサートのプロデューサーをしていた。
2000年に映画「アモーレス・ペロス」で長編映画監督デビュー。
この作品が、第53回カンヌ国際映画祭(批評家週間部門)と第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞した。
2003年の「21グラム」で、主演の“ショーン・ペン”がヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞し、ナオミ・ワッツはアカデミー賞で主演女優賞を受賞した。
2006年「バベル」で第59回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、第64回ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞。
2010年「ビューティフル」、2014年「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」では、第87回アカデミー賞で作品賞・監督賞など4部門を受賞した。
2015年「レヴェナント 蘇えりし者」で第68回アメリカ監督組合賞、第88回アカデミー賞で監督賞を受賞し、主演の“レオナルド・ディカプリオ”は初のアカデミー賞主演男優賞を受賞。
2022年に第35回東京国際映画祭で黒澤明賞を受賞した。
主演
レオナルド・ディカプリオ(ヒュー・グラス役)
レオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオは、カリフォルニア州ロサンゼルス出身の俳優、脚本家、映画プロデューサー、環境活動家。
10代でCMやテレビドラマに出るようになり、1993年ジョニー・デップ主演の「ギルバート・グレイプ」で19歳の若さでアカデミー助演男優賞にノミネートされる。
その後も、1995年「バスケットボール・ダイアリーズ」1996年「ロミオ+ジュリエット」と出演を重ね、1997年ジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」で一躍スターとなる。
2002年マーティン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」に主演し高い評価を得る。
2004年、初めてプロデュースした「アビエイター」で再びスコセッシと組み、ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演男優賞を受賞。
それ以降も「ディパーテッド」「ブラッド・ダイヤモンド」「インセプション」などで主演し、2013年「ウルフオブウォールストリート」で再度スコセッシとタッグを組みゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。
2015年「レヴェナント:蘇えりし者」で悲願のアカデミー主演男優賞を受賞した。
2019年「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」、2021年「ドント・ルック・アップ」、2023年「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
2025年には、念願のPTA作品「ワン・バトル・アフター・アナザー」に主演した。
また、映画人の他に環境活動家の一面を持っている。プリウスなどのハイブリッドカーを所有したり、代替肉やヴィーガン食品のハンバーガー開発会社などに投資している。
キャスト
| 役者名 | 役名 | 説明 |
|---|---|---|
| レオナルド・ディカプリオ | ヒュー・グラス | 先住民ポーニー族の女性と結婚したアメリカ人の罠猟師 息子ホークと共に、毛皮ハンターのアメリカ人たちのガイドをしている |
| トム・ハーディ | ジョン・フィッツジェラルド | 毛皮ハンターの男で、自分勝手で金に目がない男 |
| ドーナル・グリーソン | アンドリュー・ヘンリー大尉 | 毛皮ハンターの一団のキャプテン |
| ウィル・ポールター | ジム・ブリッジャー | 毛皮ハンターの一団の若い男 |
| フォレスト・グッドラック | ホーク | グラスの息子でポーニー族とアメリカ人のハーフ |
| ポール・アンダーソン | アンダーソン | 毛皮ハンターの一団の男 |
| デュアン・ハワード | エルク・ドッグ | 先住民アリカラ族の長 |
| メラウ・ナケコ | ポワカ | エルク・ドッグの娘で、行方がわからなくなっている |
| アーサー・レッドクラウド | ヒクク | 先住民ヒダーツァ族の男で、川沿いでグラスと出会う |


感想
とにかく大自然の美しさと過酷さ、これが実話だというのが凄い!
息子を殺されたというのは、復讐心をより強くするための映画オリジナルのもの。
最近は日本でも話題となっているクマがとても恐ろしく、そのパワーや絶望感がリアルだった。
グラスの生きる執念が凄まじくて、瀕死の状態から復活して320キロも移動したなんて信じられない。
撮影は自然光でしかしてないと言うし、極寒の中での撮影はかなり大変だったであろうと想像できる。
ディカプリオ初のアカデミー賞受賞作品ということで、こちらの顔も歪んでしまうような渾身の演技だったと思います。
グラスがどうやって復讐劇に終止符を打つのか、最後まで眼が離せない作品でした。
グラス
罠猟師として地元の地理に詳しいため、アメリカ人の毛皮ハンターたちのガイドをしているグラス。
ポーニー族の妻の忘れ形見である息子ホークも連れている。
アリカラ族に襲われ船で逃げるが、川は危険だと判断し山越えのルートを選択する。
その山でグラスはグリズリーに襲われるわけですが、このグリズリーが非常にリアルで恐ろしい。
クマ側の立場としては、小熊を守るための危機管理行動だったのだろう。
あんなデカいクマに襲われたら…されるがままで何も出来ませんね。
食べるためではなく危険排除だったので、グラスはグリズリーに止めは刺されなかった。
しかし、誰もがもう長くはないだろうと思う絶望的なダメージを負う。
体は動かず声も出ない…そんな時に目撃してしまった衝撃的なシーン。
執念の追跡
意識を取り戻したグラスは、復讐のためフィッツジェラルドを追います。
歩けない状態から始まり、大自然の過酷な環境の中を進んでいく。
実際のグラスは山から川へと下り、トータル320kmも移動したと記録されています。
普通の道でもとんでもない距離なのに、クマやアリカラ族に襲われる恐怖や吹雪や嵐など自然の猛威もある。
復讐への執念が、彼を突き動かしているとしか思えない。
演じるディカプリオも常に険しい表情をしているし、喋る相手もいないので台詞も少ない。
復讐といえども、強い目的を持つと人間は潜在能力を覚醒できるのだろうか。
グラスは、体の治癒能力も通常より早かったのかもしれない。
改めて、人間の体の神秘さ優秀さを感じてしまった。
これからも、化学で作られた“薬は飲まない方がいい”と再確認できた気がする。
フィッツジェラルド
アメリカ人毛皮ハンターの一団にいるフィッツジェラルド。
思ったことを直ぐに口に出し、いつも場の空気を乱すような男。
怪我をしたグラスが重荷となり、自分たちの生存率が下がるのが気に食わない。
間違ってはいないが、それを安易に口に出してはいけない。
いますよね〜空気を読まずにいらない発言をする奴…。
まだ生きている仲間を山に捨てていくことは…自分には出来ないかな。
無事に生還できたとしても、後に罪悪感に苛まれそう。
隊長にも平然と嘘の報告をしたフィッツジェラルドには、罪悪感のかけらもない様子です。
“因果応報”でこやつにどんな天罰が下るのか、途中から早くそれが観たくなってきました。
このクソ野郎を“トム・ハーディ”が上手く演じていました。
実際は、当時23歳だった“フィッツパトリック”という男で、グラスを見捨て山に置き去りにしてきました。
ヘンリー大尉
毛皮ハンターの一団のキャプテンを務めているヘンリー大尉。
キャプテンだけあって…ちゃんとした人格者です。
映画やドラマでたまにいる、それなりの地位にいるのにクソみたいな奴。
そいつらはきっと…ゴマすりやズルをして人を蹴散らしてきた人でしょう。笑
ヘンリーは、フィッツジェラルドとブリッジャーに「グラスを最後まで見守って埋葬しろ」と命令します。
グラスは彼らの命の恩人だから、その恩に報いなければならないという考えでしょう。
最後は残念でしたが、なかなか正義感の強い男でした。
ブリッジャー
毛皮ハンターの一段の中でも一番若いと思われるブリッジャー。
実在した“ジム・ブリッジャー”は、当時まだ19歳だったようです。
ヘンリーの命令で、フィッツジェラルドと共にグラスの最後を見守るために残りました。
ブリッジャーはヘンリーの命令通りにする予定だったが、フィッツジェラルドが暴走してしまう。
若いブリッジャーは、凶暴な彼に逆らうことが出来ません。
仕方がなくグラスを置き去りにして、フィッツジェラルドとその場を去ってしまった。
グラスはブリッジャーを責めはしませんでしたが、実際のグラスも若さに免じて彼を許したようです。
ヒクク
非常にワイルドな登場の仕方をしたヒクク。
ポーニー族に友好的で敵がスー族と言っていたので、おそらくヒダーツァ族だと考えられる。
ヒククは、グラスを助けてくれる優しい先住民です。
吹雪の中でグラスのために焚き火をし、木の枝でテントを作るシーンが素晴らしかった。
あと、ヒククが雪を舌で受け止めて…グラスも真似をするシーンが笑えました。
クマ被害
ここ最近、日本中でクマ被害のニュースが後をたたない。
特に東日本に集中しているらしく、秋田県でかなり増殖しているようです。
なぜクマが人里に下りてくるのか?
そんなに山に食べるものがないのか、メガソーラーなど人の手が入り過ぎたのか。
もしかすると、クマが「人は怖い生き物ではない」と学習している可能性もあるみたいだ。
昔はクマによる食害事件などほとんどなかったが、近年は何件か確認されている。
ついに…クマが人間を食糧(獲物)として認識し始めたのか!?
そうなると、クマは人間を喰らうために山から下りて来ていることになる。
今一度、人間とクマの生活圏の境界線をハッキリさせないといけませんね。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)78% ポップコーンメーター(観客)84%
metacriticでは、メタスコア(批評家)76/100 ユーザースコア(観客)8.0/10
IMDbでは、IMDbレーティング8.0/10 ユーザー評価8.0/10
アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞しているだけあって、全体的に高めの評価となっています。
大自然の美しさや過酷さ、ディカプリオの鬼気迫る演技が評価されたのかもしれません。
これが実話だということにも驚かされますね。


まとめ
2016年に公開された映画「レヴェナント:蘇えりし者」
原作は“マイケル・パンク”の小説「蘇った亡霊:ある復讐の物語」で、西部開拓時代に実在した罠漁師“ヒュー・グラス”の半生と過酷なサバイバルの旅を描いている。
この作品で主演の“レオナルド・ディカプリオ”は、初のアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
監督の“アレハンドロ・G・イニャリトゥ”は、「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に続き2年連続のアカデミー賞監督賞を受賞。
自然光のみで撮影された大自然が美しく、ディカプリオの鬼気迫る演技が素晴らしい。
死の淵から奇跡の復活を遂げ、復讐のために過酷な環境の中を突き進む執念の男の物語。
2025年10月現在、U-NEXTとDisney+で視聴することが出来ます。
ぜひ、視聴してみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



グリズリー







