2025年11月21日から公開されている「東京タクシー」、そのオリジナル版が2022年に公開されたフランスのコメディ・ドラマ映画「パリ タクシー」です。
「東京タクシー」は観ていませんが、オリジナル版に興味が湧いてきました。
ほとんどのリメイクは、オリジナルを超えることが出来ません。
ということで、本家である「パリ タクシー」を観てみることにしました。
チャミンパリのタクシーか…



全くイメージが湧かないね…


映画「パリ タクシー」
Xより
パリ タクシー(原題:une belle course)は、2022年に公開されたフランス映画。
STORY
パリでタクシー運転手をしている“シャルル”は、無愛想で金もなく免許も停止寸前だった。そんな彼にある日、92歳のマダム“マドレーヌ”をパリの反対側まで送るという依頼が入る。マドレーヌは、寄り道をしながら過去を振り返り人生を語る。単純な道のりだったはずの二人の旅は、やがてお互いの人生を大きく動かすこととなる。
監督:クリスチャン・カリオン
上映時間:91分



感動しちゃうのかな?



いい話っぽいね
キャスト
| 役名 | 役者名 | 説明 |
|---|---|---|
| シャルル | ダニー・ブーン | パリのタクシー運転手で、免停寸前でお金も底をつきそう |
| マドレーヌ・ケラー | リーヌ・ルノー | パリの反対側まで行くために、タクシーを呼んだ高齢の女性 |
| マドレーヌ・ケラー(若い頃) | アリス・イザーズ | マドレーヌの若かりし頃の姿 |
| レイモンド・アグノー(レイ) | ジェレミー・ラウールト | マドレーヌの暴力的な夫 |
| デニス・ケラー | グウェンドリーヌ・アモン | マドレーヌの母親 |
| カリーヌ | ジュリー・デラルム | シャルルの妻 |
| マチュー | トーマス・アルデン | マットとマドレーヌの息子 |
| マット | エリー・ケンプフェン | マドレーヌの元恋人で、マチューの父親 |


感想
この映画は、なかなかいい作品でした。
高齢女性の人生が次第に明かされていき、最後には感動して泣いてしまいました。
人の出会いというのは不思議なもので、あんなことが世界のどこかで起きているんだろうな…。
“人には優しくするべきだ”と思わされる映画だった。
いつも愚痴を言っていたり、不機嫌な態度ばかりしていたら幸運は訪れない。
シャルルがもし面倒くさそうな態度を続けていたら、あんな結末にはなっていなかっただろう。
人生最後の思い出めぐりの小旅行…とても素敵でした。
音楽もいい感じで、パリのおしゃれな街並みも良かったです。
そして、エンディングが素晴らしい!!
マドレーヌ
92歳にしては、外見も中身もしっかりしているマドレーヌ。
シャルルのタクシーに乗ってから、自ら自分の過去を話し始めます。
彼女は“マット”というアメリカ人の軍人に恋をした。
76年も前の話なのに、今でもキスの味を覚えている…本当かよ!?
「ハチミツとオレンジの味」
オレンジはちみつのジャムでも食ったのかよ!
そんなに好きだったのなら、なぜ彼について行かなかったのか。
それについて語っていなかったか…覚えていない。
「ひとつの怒りでひとつ老い、ひとつの笑顔でひとつ若返る」
マドレーヌの父親からの言葉のようですが、こういう昔の言葉っていうのは…真意をついているんですよね。
彼女の言葉が、次第にシャルルに変化を与えていきます。
若き日のマドレーヌ
マットが帰国し、レイという男と一緒になった若き日のマドレーヌ。
しかし、レイは酒を飲み彼女に暴力を振い…マチューにも厳しくあたる。
マドレーヌは、自身と息子を守るために…まあまあ酷いことをします。
レイは、別に外で浮気しまくっていたわけではないんですけどね…。
そして、25年を刑務所で過ごすこととなる。
25年は長いですよね…なかなか厳しい判決ですが、そういう時代だったのでしょう。
幼いマチューには、とても辛かったかもしれないですね。
最も母親が必要な時期だったわけですから…。
彼女の刑務所での描写はないんですが、強い女性ですから上手く乗り切ったのではないでしょうか。
マット
マドレーヌがずっと忘れられない男マット。
彼は、アメリカの軍人であること以外はほとんど語られていません。
映像もダンスしているシーンしかありません。
しかし、マドレーヌの心には最後までマットがいました。
最後のダンスシーンでの歌詞は、彼女の心情を代弁しているかのようでした。
当時の彼女は16歳だったと語っていますが、全く16歳には見えないですよね。
たった3ヶ月の恋が、彼女の人生で最も幸せな時期だったと振り返る。
それは、ロマンティックですね!
でも、マットは約束したのに戻らなかったし…帰国して結婚してる。
てことは…ただの遊びだったってことですよね!?
種付けまでしておいて、おそらく彼は子供ができたことも知らないでしょう。
それなのに、マドレーヌの中では“人生で一番素敵な思い出”なのです。
しかし、そんな風に思わせるマットもなかなかですよね。
レイ
大人になったマドレーヌが恋をし、結婚することになったレイ。
いい男かと思えば、そうではなかったようです。
連れ子であるマチューが邪魔なようで、優しくも出来ない。
レイは自分の子を欲しがったが、マドレーヌはそれを拒否していた。
そりゃあんな暴力男の子供なんて欲しくないですよね。
マチューを殴ったレイは、とんでもない仕返しを受けてしまう。
まだ若いのに…ご愁傷様です。笑
シャルルの変化
最初は無愛想で面倒くさそうに話を聞いていたシャルルも、だんだん笑顔が出てきて優しくなっていきます。
マドレーヌがレイにしたことを聞いて、奥さんに朝怒ったことを謝っていたのが笑えました。
とんでもないところでタクシーを停車させますが、あれはいけませんよね…でもある意味「緊急事態」か…。
マドレーヌの壮絶な人生の話を聞いて、自分が悩んでいることなんてちっぽけなことだと気づいたのか。
シャルルは、明らかに最初と違う表情に変わっていきます。
そして、あれだけ執着していた“お金”に対しても「また今度でいい」という言葉が出るようになる。
彼女と出会い、シャルルの心には余裕が出来たようだった。
マドレーヌはとんでもないものをシャルルに残しましたが、彼はこの先も家族をずっと大切にしていくでしょう。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)94% ポップコーンメーター(観客)93%
metacriticでは、メタスコア(批評家)65/100 ユーザースコア(観客)7.4/10
IMDbでは、IMDbレーティング7.1/10 ユーザー評価7.3/10
どのサイトも高いですが、特にロッテントマトで高評価を得ています。
笑いあり涙ありで、とても感動的な作品だと思います。
年齢は関係なく、多くの人の心に響く映画なのではないでしょうか。


まとめ
2022年に公開されたフランスのコメディ・ドラマ映画「パリ タクシー」
とても感動的でいい作品でした!
人生崖っぷちだったタクシー運転手が、偶然乗せることとなった92歳の女性。
彼女の壮絶な人生経験を聞くうちに、彼の心だけでなく人生をも変えてしまう。
人生なんて「一瞬」、何かにつけて怒っていてもいいことなんてない。
人生というものは、自分の心の持ちようによって変わってくるのかもしれない…。
そんなことを考えさせられる映画でした。
パリの街並みはお洒落だし、音楽も素晴らしかった。
エンディングは特に素晴らしかったです。
Amazon Prime Videoで視聴できますので、ぜひ一度ご覧になってみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



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