この映画の公開当時は、私はその存在すら知りませんでした。
アカデミー賞も気にしていなかったので、この作品が受賞したことすら知らない。
当初はAmazon Prime Videoでしか配信されていませんでしたが、現在(2024年11月)はNETFLIXやU-NEXT、Huluなどでも視聴できるようです。
なんとなく見つけ評価も高かったので、NETFLIXで試聴してみることにしました。
感動する映画なのかな?
ワイは泣いたよ…
映画「Coda コーダ あいのうた」
www.amazon.co.jpより
Coda コーダ あいのうた(英題:CODA)は、2021年公開(日本は2022年)のアメリカ・フランス・カナダ合作のドラマ映画。
2014年公開のフランス映画「エール!」の英語版リメイク作品。
Appleが、サンダンス映画祭史上最高額の2,500万ドルで配給権を獲得した。
2021年8月13日に劇場公開とApple TV+で同時に配信されたが、日本では配給権が異なるためAmazon Prime Videoで配信された。
STORY
マサチューセッツ州・グロスターで、両親と兄と暮らしている女子高生“ルビー・ロッシ”は、家族の中で一人だけ耳が聞こえる。漁師である父や兄と共に毎朝早くから海に出る日々を過ごし、幼い頃から家族の「通訳」の役目を担っていた。歌うことが大好きなルビーは高校で合唱サークルに入り、そこで出会った音楽教師“ヴィラロボス”先生は彼女の才能に気付き、都会の有名音楽大学に進学することを勧めた。しかし、ルビーの両親は彼女の才能を信じず…家業の方が大事だと反対した。ルビーは自分の夢よりも家族を助けることを選択するが…。
監督:シアン・へダー
上映時間:112分
なんか感動しそう
いい家族なんだよな〜
キャスト
役者名 | 役名 | 説明 |
---|---|---|
エミリア・ジョーンズ | ルビー・ロッシ | 歌うことが大好きな女子校生で、家族の中で唯一の聴者で家族を助けている |
トロイ・コッツァー | フランク・ロッシ | ルビーの父親で、仕事は漁師をしている |
マーリー・マトリン | ジャッキー・ロッシ | ルビーの母親で、かつて美人コンテストで優勝したこともある |
ダニエル・デュラント | レオ・ロッシ | 父と共に漁師をしている、女好きのルビーの兄 |
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ | マイルズ・パターソン | 合唱サークルのメンバーで、ルビーが気にしている男子 |
エウヘニオ・デルベス | ベルナルド・ヴィラロボス | 合唱サークルの音楽教師で、ルビーの才能を見抜き熱心に指導する |
エイミー・フォーサイス | ガーティ | ルビーの友人 |
感想
ルビーは良い子だし、とても素敵な家族で…涙腺崩壊です。
家族も大事だけど、自分も大好きな歌が歌いたいルビー。
ルビーがいないと困るけど、彼女の夢を後押ししたい家族。
心が温まる“いい映画”を観たな〜という感じ。
最後に家族の元に駆け寄るシーンは、特に珍しいわけではないけど感動しました。
CODA(コーダ)
CODA(Children of Deaf Adults)は、“耳の聴こえない両親に育てられた子供”のこと。
聴覚障害のある親から産まれる子供のおよそ90%弱は、聴者(聴力に問題のない人)のようです。
日本では、少なくとも22,000人のコーダが存在していると言われている。
ルビー
耳の聴こえない両親に育てられたルビーが、言葉を覚えるのは大変だったと思います。
コーダの子は、どうやって言葉を覚えるのでしょうか?
テレビを観ているだけでは難しい気もしますが、親の口の動きや文字による教育を受けて覚えるようです。
家の中にある物にその名称を書いた紙を貼ったりして、遊びながら徐々に覚えていく。
言葉と同時に手話を覚えたルビーは、幼い頃から家族の通訳をしていました。
毎朝3時頃に起きて、家業である漁業を手伝うために父と兄と海に出ます。
この時点で、ルビーは既にめちゃくちゃ良い子ですよね。
女子高生でそこまで出来る子は、そんなに多くいないのではないでしょうか。
耳の聴こえない両親のことで、学校で同級生にからかわれたりもする。
多感な時期の場合は、それなりに悩んだりダメージがあると思います。
しかし、ルビーはそこまで気にすることはなく家族を優先します。
なんて芯の強い子なの
泣けてくるよ
“大好きな歌をとるか家族をとるか”の選択を迫られるルビーは、家族のために夢を諦めるという選択をする。
これは、お互いにとって難しい選択だと思います。
ルビーには「ルビーの人生」があるし、家族も子供には「自由に生きて欲しい」と思っているでしょう。
“自分がいないと家族が困る”となれば、ルビーも放っておけませんよね。
両親はルビーの歌の才能を知ることとなり…決意する。
ルビーを演じた“エミリア・ジョーンズ”の歌と演技が素晴らしかったです。
フランク
ルビーの父親で、漁師として海に毎日出ているフランク。
漁師の収入は厳しいが、そんな様子をルビーに見せることなくジョークをかます優しい父親。
独特の手話が面白くて、表情も笑えます。
コンドームの説明が面白かった。笑
漁での無線の応答や魚を売る交渉は、ルビーに頼るしかありません。
ルビーの歌も聴こえないし、彼女に才能があるなんて知る由もない。
しかし、合唱サークルの発表会で周りの観客の反応を見て…それに気づくことになります。
とても印象的なシーンでした。
そして、ルビーに目の前で歌ってもらい…彼女の喉に触れその歌声を感じ、フランクはある決意をします。
このシーンもまた素晴らしくて、フランクの表情がいいんですよ!
フランクを演じた“トロイ・コッツァー”は、全米映画俳優組合賞助演男優賞やアカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
ジャッキー
ルビーの母親のジャッキーは、ちょっと変わっていてデリカシーに欠ける。
息子の「出会い系サイト」での女の子探しに助言したり、娘に対しても真剣に向き合っていない。
ちょっと自己中心的で、どんな時でも“娘が親を助けるのは当たり前”だと思っている感じ。
ルビーが歌が大好きで、彼女には夢があるなんて理解ができない。
ルビーに対して正直過ぎる告白もあったけど、母親としてしっかりを娘を愛しています。
可愛い娘が家を出ていくのは寂しいけれど、フランクと共に彼女の夢を後押しする。
レオ
ルビーの兄であるレオは、女好きだが優しい兄です。
ルビーと互いに悪口を言い合っても、妹が大好きだってことが感じられる。
家族の中でも一番ルビーの苦悩を理解し、彼女を応援しているのがレオです。
レオは、妹に頼りっきりの自分も嫌だったのでしょう。
「家族の犠牲になるな」「家族がバカに見えたっていいじゃないか」という台詞がとても印象的でした。
そこにあったのは、兄貴の“意地とプライド”だったのではないでしょうか。
きっとずっとルビーと仲良しであろう、カッコいい兄貴でした。
ベルナルド(V先生)
合唱サークルの顧問の音楽教師である、べルルルルルルゥナルド先生。
個性的なキャラクターで、教育熱心な先生です。
ルビーの才能を見抜き、バークレー音楽大学への進学を勧める。
個人レッスンなど、親身になってルビーに教えます。
ルビーの歌唱力を解放していくシーンが好きでした。
オーディションのシーンで、“あえてミスをして仕切り直す”ところも良かったです。
マイルズ
ルビーが思いを寄せる相手であるマイルズ、彼が合唱サークルに入ったからルビーも一緒のサークルにしました。
途中は嫌われてしまいますが、二人が湖ではしゃぐシーンは微笑ましかったです。
あの湖は、“二人だけの秘密の場所”って感じでいいですよね。
彼も歌が上手くて、素晴らしいデュエットでした。
ルビーがボストンに行っても、「浮気せずにちゃんと会いに行くんだぞ」って言いたくなります。
家族の視点
合唱サークルの発表会の途中、ロッシファミリー視点になり無音になります。
彼らは“音のない世界”に生きているため、ルビーたちの歌声も周りの歓声も聞こえません。
フランクたちは、周りの人の反応から状況を読み取るしかないです。
そりゃ、何も聞こえないのだから「今夜は何食べる」なんて会話もしますよね。
彼らがもし“音のある世界”を体験できたら、どんな反応をするのでしょうか。
家族の中でルビー役の“エミリア・ジョーンズ”以外は、本当に耳の聞こえない役者が演じています。
最初に監督の“シアン・へダー”が最初にキャスティングしたジャッキー役の“マーリー・マトリン”が、「聴覚障害の俳優を起用しなければ降板する」と言ったようです。
そんなキャスティングによって、私たちはより“リアルな世界”を観ることが出来ました。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)94% ポップコーンメーター(観客)91%
metacriticでは、メタスコア(批評家)72/100 ユーザースコア(観客)7.7/10
IIMDbでは、IMDbレーティング8.0/10 ユーザー評価8.2/10
全体的にかなり高い評価となっています。
さすが“アカデミー賞作品賞”を受賞しているだけある。
「後世に残る素晴らしい作品」だと私も思います。
まとめ
2021年(日本では2022年)に公開され、第94回アカデミー賞作品賞を含む3部門を受賞した映画「Coda コーダ あいのうた」
2024年11月現在、Amazon Prime VideoやNETFLIX、U-NEXT、Huluなどで視聴可能となっています。
自分以外は“ろう者”という家族の中で育ち、幼い頃から家業の漁師を手伝い「通訳」として家族を助けてきた少女。
そんな少女“ルビー”は歌が大好きで、高校の合唱サークルの“V先生”にその才能を認められます。
ボストンの有名音楽大学への進学を勧められたルビーは、家族に進学を断られ諦めざるを得なかったが…家族は意外な切断をする。
主演の“エミリア・ジョーンズ”の歌声が素晴らしく、“家族の愛”に涙を堪えることが出来ません。
家族の中でエミリア以外の役者は3人共、「実際に聴覚障害を持っている」というのもこの映画のポイントです。
“美しい家族愛”に心温まる傑作「Coda コーダ あいのうた」
ぜひ、一度ご覧ください!
最後まで読んでいただきありがとうございます
Go!