アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」は、子供の頃によく観ていました。
おそらく第3期ぐらいでしょうか。第6期をチラッと観た時には、絵面がかなり変わったなという印象。
“猫娘”がめっちゃ可愛くなっていました。
背もかなり伸びてまるで別人に!?私の知っている“猫娘”はどこへ…
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」は、鬼太郎誕生の秘密がわかるということで観てみることに。
2024年4月29日よりamazon Prime Videoでプライム会員は見放題となっています。
気になるねぇ
最初に言っとくけどおもろいよ!
ゲゲゲの鬼太郎
ゲゲゲの鬼太郎(第5期)東映アニメーションより
ゲゲゲの鬼太郎は、水木しげる原作の漫画作品。日本の妖怪を世間に広めイメージを変えた“妖怪漫画”
STORY
幽霊族の少年・鬼太郎が、様々な妖怪から人間を守り戦いを繰り広げる物語。
連載
週刊少年マガジン
- 1965年32号〜1966年41号 「墓場の鬼太郎」
- 1967年19号〜1969年13号 「墓場の鬼太郎」1967年46号から「ゲゲゲの鬼太郎」に改題
週刊少年サンデー
- 1971年40号〜1971年53号
これらをメインに様々な雑誌でいろんな“鬼太郎作品”が描かれています。
アニメシリーズ
アニメ化にあたり「墓場の鬼太郎」の“墓場”にスポンサーが懸念を抱いたため、タイトルを「ゲゲゲの鬼太郎」に変更して放送することになった。
“ゲゲゲ”は原作者の水木しげるの子供の頃のあだ名“ゲゲ”からきている。
アニメ | 放送期間 | 放送回数 |
---|---|---|
第1期 | 1968年1月3日〜1969年3月30日 | 全65回 |
第2期 | 1971年10月7日〜1972年9月28日 | 全45回 |
第3期 地獄編 | 1985年10月12日〜1988年2月6日 1988年2月8日〜3月21日 | 全108回 全7回 |
第4期 | 1996年1月7日〜1998年3月29日 | 全114回 |
第5期 | 2007年4月1日〜2009年3月29日 | 全100回 |
第6期 | 2018年4月1日〜2020年3月29日 | 全97回 |
墓場鬼太郎 | 2008年1月10日〜3月20日 | 全11回 |
連載は読んだことがなく、アニメも第3期以降はほとんど観ていません。
「ゲゲゲの鬼太郎」は、真剣に観るというより何となく観ていた感じです。
“リモコン下駄”や“髪の毛針”など、割と単調な攻撃で特に新しい技も出てこないイメージです。
妖怪はいつも違うけど、闘いはだいたい同じみたいな…。
♪ゲッゲッ ゲゲゲのゲー
朝は寝床で グーグーグー♪
声優(主要キャラクター)
アニメ | 鬼太郎 | 目玉おやじ | ねずみ男 | 猫娘 | 砂かけ婆 | 子泣き爺 | 一反木綿 | ぬりかべ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1期 | 野沢雅子 | 田の中勇 | 大塚周夫 | 山口奈々 | 小串容子 | 永井一郎 | キートン山田 | |
第2期 | 小串容子 | 山本圭子 | 矢田耕司 | |||||
第3期 | 戸田恵子 | 富山敬 | 三田ゆう子 | 江森浩子 | 永井一郎 | 八奈見乗児 | 屋良有作 | |
第4期 | 松岡洋子 | 千葉繁 | 西村ちなみ | 山本圭子 | 塩屋浩三 | 龍田直樹 | 龍田直樹 | |
第5期 | 高山みなみ | 高木渉 | 今野宏美 | 龍田直樹 | 八奈見乗児 | |||
第6期 | 沢城みゆき | 野沢雅子 | 古川登志夫 | 庄司宇芽香 | 田中真弓 | 島田敏 | 山口勝平 | 島田敏 |
墓場鬼太郎 | 野沢雅子 | 田の中勇 | 大塚周夫 |
第1期と2期は野沢雅子が“鬼太郎”を担当していたのに、第6期では“目玉おやじ”をやってます。
こうやって見ると一人二役やっていたり、前に担当していたキャラに舞い戻ったりしていて面白いですね。
水木しげる
水木しげる 本名:武良茂(むらしげる) 1922年(大正11年)3月8日ー2015年(平成27年)11月30日
大阪で生まれ鳥取県境港市で育った日本の漫画家、妖怪研究家、紙芝居作家。
紙芝居作家時代に、兵庫県神戸市の水木通り沿いで経営していたアパート「水木荘」から“水木しげる”と名付けた。
幼い頃、家政婦として家に出入りしていた影山ふさ(のんのんばあ)から聞かされた妖怪の話に強い影響を受けた。
画家を目指し大阪で働きながら学んでいたが、20歳になった1943年に招集され第二次世界大戦下のニューギニア戦線・ラバウルに出征した。
1944年、敵の爆撃により負傷し左腕を失う。その後もマラリアにかかり死にかけたり、戦争での壮絶な体験は後の水木の作品に多大な影響を与えた。
日本に戻り、1948年に武蔵野美術学校に入学。1950年神戸でアパート「水木荘」の大家をしながら紙芝居制作を始める。
1953年水木荘を売却し、1957年に漫画家を目指して上京。翌年、「ロケットマン」で漫画家デビュー。
1960年「墓場鬼太郎」シリーズを開始。1963年「悪魔くん」刊行。1966年“水木プロダクション”を設立し、「悪魔くん」が実写テレビドラマ化。
1968年、「墓場鬼太郎」を「ゲゲゲの鬼太郎」に改名してテレビアニメ化。
「ゲゲゲの鬼太郎」は現在までに6度アニメ化され、2007年には実写映画が製作された。
2010年には、妻の布枝の著書「ゲゲゲの女房」がNHK連続ドラマ小説でドラマ化、そして映画化もされた。
2015年自宅で転倒し頭部を強打し入院。同年の11月30日、多臓器不全で死去。93歳だった。
なかなか凄い人生だね
戦争では生死を彷徨い、帰国してからも苦労されたみたいだね
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
東映・東映アニメーションより
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」は、2023年公開のアニメーション映画。
東映アニメーション製作で、水木しげるの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の劇場版であり“水木しげる生誕100周年記念作品”
2018年に放送されたアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期をベースに製作された。
STORY
昭和31年、日本の政財界を裏で支配する“龍賀一族”の当主・時貞が死去した。血液銀行に勤める水木は、時貞の弔いと自らの野心のために“哭倉村”(なぐらむら)を訪れる。同じ頃、鬼太郎の父親もまた行方不明の妻を探して哭倉村に来ていた。哭倉村は龍賀一族に支配されていて、醜い後継者争いが始まっていた。そんなある日、一族の一人が村の神社で惨殺された。そこから次々と起こる怪奇事件、水木は鬼太郎のおやじに出会い、共に哭倉村の謎を追いながらお互いの目的を果たそうとする。
監督:古賀豪
上映時間:104分
「ゲゲゲの鬼太郎 ゲゲゲの謎」は、アニメシリーズとしては初めて“水木プロダクション”が製作委員会に参加した作品です。
水木しげるも描いたことがない、“鬼太郎が生まれる前”の話であり“目玉おやじの過去”の物語。
やっぱり気になる
ゲゲゲの謎
登場人物
名前 | 説明 | 声優 |
---|---|---|
鬼太郎の父(後の目玉おやじ) | 幽霊族の末裔で風呂好き。行方不明の妻を探して哭倉村に来た。 | 関俊彦 |
水木 | 帝国血液銀行に勤めていて、龍賀製薬の担当をしている。手柄を得て出世するため、野心を持って哭倉村に来た。 | 木内秀信 |
龍賀 時貞(りゅうが ときさだ) | 龍賀一族の当主で、日本の政財界を支配していた人物。 | 白鳥哲 |
龍賀 時麿(りゅうが ときまろ) | 時貞の長男で体が弱く、長く人前に姿を見せていなかった。 | 飛田展男 |
龍賀 孝三(りゅうが こうぞう) | 時貞の次男で、村の禁域に入った罰により心を失いずっと画を書いている。 | 中井和哉 |
龍賀 乙米(りゅうが おとめ) | 時貞の長女で克典の妻。龍賀家に強い誇りを持っていて、入婿の克典を見下している。 | 沢海陽子 |
龍賀 沙代(りゅうが さよ) | 乙米の娘で見た目はおしとやかだが芯が強い。村から出たがっていて、東京から来た水木に興味を抱く。 | 種崎淳美 |
龍賀 丙江(りゅうが ひのえ) | 時貞の次女で、過去に駆け落ちして村を出たが連れ戻された。酒浸りでだらしない生活をしている。 | 皆口裕子 |
龍賀 克典(りゅうが かつのり) | 乙米の婿で龍賀製薬社長。婿養子のため龍賀家での地位は低い。水木のことを気に入っている。 | 山路和弘 |
長田 庚子(おさだ としこ) | 時貞の三女で気弱な性格。長田幻治の妻で長田時弥の母。 | 釘宮理恵 |
長田 幻治(おさだ げんじ) | 庚子の夫で哭倉村の村長。穏やかな性格だがよそ者には厳しい。乙米に気があり、従順に仕えている。 | 石田彰 |
長田 時弥(おさだ ときや) | 庚子の息子で病弱。人懐っこい性格で、よそ者の水木たちにも直ぐに心を開く。 | 小林由美子 |
謎の少年(ねずみ) | 龍賀家で働く謎の少年。金のためなら何でもする。 | 古川登志夫 |
鬼太郎の母 | 幽霊族の末裔で人間社会で生きていた。もう何年も行方不明になっている。 | 沢城みゆき |
現代の鬼太郎の声は「沢城みゆき」で、同じく現代の目玉おやじの声は「野沢雅子」が担当しています。
感想
まず、昔観たアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」私や皆さんの知ってる「ゲゲゲの鬼太郎」とは、まるで違う作品だということです。
鬼太郎が“リモコン下駄”とかで妖怪を退治する、いつもの「ゲゲゲの鬼太郎」ではありません。
子供向けではなく、大人向けの「ゲゲゲの鬼太郎」でした。
昭和31年
オフィスで普通に煙草を吸い、電車で誰かが咳き込んでいてもお構いなしでみんな煙草を吸っていた時代。
私もまだ生まれていませんが、“戦後の混乱の中で弱いものはどんどん削ぎ落とされていった時代”だったそうです。
あの時代を生きていなかったのになぜか“どこか懐かしい”と思わせる。
昭和を生きた人間は、今の窮屈な時代より“あの頃が良かった”と思うのかもしれません。
哭倉村(なぐらむら)
冒頭も含め、トンネルを抜けたら“異世界”といった感じでしょうか。
人里離れた山奥に哭倉村はあります。龍賀一族が牛耳る村。
当主である時貞の死によって一族の後継者争いが勃発し、そこで起きる出来事はまるで“犬神家の一族”や“八つ墓村”のようです。
実際に、因習村ということで“八つ墓村”をイメージして製作されたみたいです。
本当にこんな村が昔はあったのかもしれません。もしかすると、まだ日本のどこかにあったりして…
この映画はPG12ですが、当主に身を捧げるおぞましいしきたり…いわゆる“近親相姦”なんてものが出てきます。
子供に質問されたら困っちゃいますね。
怪奇殺人事件
次々と死者が出るわけですが、割とグロい描写もあります。
いつもの「ゲゲゲの鬼太郎」と思って観たお子さんは、びっくりしてしまうかもしれません。
でも、“水木しげるの世界”といった感じでいいのではないでしょうか。
“一体誰の仕業なのか”ここでミステリー的要素が追加されます。
ゲゲ郎
鬼太郎の父親は自分の名前を言わなかった。彼が現れたとき、ねずみが「ゲゲッ」と驚いたため水木が“ゲゲ郎”と名付けた。
ゲゲ郎は後の“目玉おやじ”です。
目玉おやじって元はこんな感じだったの!?
もちろん今は目玉だけなので、想像なんて到底つかなかったわけですが…
いつも落ち着いていて余裕があって、ビジュアルも含めて全てかっこいいんです!
そして、愛する妻をずっと探し続けている。
その姿は“切ない”の一言です。
ゲゲ郎の妻
ゲゲ郎の妻は人間界に馴染んで生活していました。
そのビジュアルは“母は強く美しい”というイメージから作られました。
“猫娘”のイメージが自然と取り入れられたようです。
幽霊族
人間が現れる前から存在していた幽霊族。人間が増えるにつれてその生息地が奪われていきました。
まるで、野生動物や白人に追い出されたインディアンたちのように…
人間は残酷で身勝手で愚かである
このメッセージは“ゴジラ-1.0”と共通するものがあります。
愚かな人間に狩られた幽霊族はついに、ゲゲ郎と妻の2人だけになってしまったのです。
水木
戦争で壮絶な体験をし、映画では左胸と左目に大きな傷と左耳の一部が欠けていますが、水木先生は左腕を爆撃で失いました。
上官から理不尽に殴られ無意味な戦闘に駆り出された。帰国して見た現実は悲惨で、“弱い者はいつも食い物にされてバカを見る”と思い知らされる。
劇中で水木は「妖怪の話はガキの頃、子守のばあさんによく聞かされたぜ」と言います。
水木先生は、幼少期に家政婦の“のんのんばあ”から妖怪の話をよく聞かされていました。
これらの体験の全てが、水木先生の体験そのもの。
つまり、水木先生の体験がそのまま水木というキャラクターに“投影”されているんです。
東映だけにね
やかましいわ!
水木とゲゲ郎
水木とゲゲ郎はだんだんと仲を深めていき、お互いの過去を語り合ったりします。
一緒に酒を交わし、最初はあげなかった煙草も水木はゲゲ郎に渡します。
水木はゲゲ郎を見捨てません!
終盤にゲゲ郎が水木のことを“ワシの相棒”や“友よ”と言うシーンは胸が熱くなる。
そして、このふたりの絆は「ゲゲゲの鬼太郎」で鬼太郎が人間を守る理由に繋がるのです!
血液製剤“M”
龍賀製薬や密かに製造していた血液製剤“M”
使用したものを“飲まず食わず・不眠不休”で活動可能な不死身な体にし、日清・日露戦争で大いに威力を発揮した。
これにより龍賀一族は巨万の富と政財界を支配する権力を得た。
しかし、その成分は“幽霊族の血液”だった。その血液を人間に輸血すると生きたまま屍になってしまう。
屍人から取った血液を精製することで“M”を作る。
なんとも酷いことを村ぐるみでしていることか…
最悪です
あの子も犠牲になっていたと知ったときにはショックでした…哀しかった…
アニメといえど、子供が犠牲になるのは哀しくて辛いです。
ゲゲ郎の戦闘
ゲゲ郎の凄い戦闘シーンがあります。
おいおい、こんな戦闘シーン「ゲゲゲの鬼太郎」で観たことないぞ!
なんて俊敏でなんたるパワー!
ゲゲ郎めっちゃ強い!
まさか鬼太郎でこんなかっこいい戦闘シーンが観れるとは…
龍賀 沙代
龍賀家に生まれたばっかりに、その宿命を背負いざるを得なかった哀しき人生…
彼女には生きていて欲しかった…
水木と東京に行って欲しかった…
そんな気持ちになりました。
龍賀 時貞
こいつは、外道中の外道です!
胸糞悪過ぎて語りたくもありません。
映画を観て確認してください…
語り継がれる意志
ゲゲ郎が抑えきれなかった狂骨(人の怨念から生まれる妖怪)は、現代の目玉おやじと共に鬼太郎が受け継いで退治しています。
あれから70年が経ち、最後の狂骨が現れます。その狂骨は…
ここは泣いてしまいました…
エンドロール
この映画は、エンドロールまで集中して観る必要があります。
よくエンドロールまで観ない人がいますが、この映画では大事な場面を逃してしまいます。
まだ映画は終わっていなく、これを観なければ意味がありません!
一番大事な、“鬼太郎誕生”と“目玉おやじ誕生”です!
絶対に見逃さないでください!!
最後の“タイトルバック”は最高です!
個人的な要望
- 冒頭の“猫娘”
- ゲゲ郎の妻
- 霊毛ちゃんちゃんこ
冒頭の“猫娘”
冒頭の鬼太郎と猫娘のシーンは、第6期じゃなくて第3期ぐらいの“猫娘”が良かったです。
まあ、第6期がベースになっているから仕方がないんですが、昭和の鬼太郎を観ていた世代はどうもあの猫娘に馴染めなくて…。
ゲゲ郎の妻
ゲゲ郎の妻の回想シーンはありましたが、捕まった経緯などは省略されていました。
「ゲゲ郎の妻がどこでどうやって人間に捕まってしまったのか」を描いても良かったのではないかと思います。
霊毛ちゃんちゃんこ
幽霊族の先祖の霊毛で編んだ“霊毛ちゃんちゃんこ”の誕生シーン。
光が狂骨を包み込むんですが、ここは「光が槍などの武器になってゲゲ郎が狂骨を仕留める」→「その後にちゃんちゃんこに変わる」
…みたいな感じでも良かったと思います。
とはいえ、素晴らしい出来だよね
脚本に1年かけたらしいからね
まとめ
“鬼太郎が生まれる前”の鬼太郎の父親たちの物語「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」は、現在amazon Prime Videoでプライム会員は見放題となっております。
今まで観たことのない「ゲゲゲの鬼太郎」で大人向けの作品です。
“鬼太郎の誕生秘話”や“目玉おやじの過去”など、今まで明かされていなかった多くのことが明らかになります。
少し難しい言葉や表現が出てくるので、日本語字幕をつけて観ることをお勧めします。
そして、最低2回は観てください!
1回目では気づかなかった事を発見でき、より深く理解できるでしょう。
「ただの妖怪映画でしょ」と侮らないでください。
ミステリーやホラー、アクションなどの要素と、怒り、哀しみ、切なさ、希望、絶望、悲劇など多くの感情が湧き上がります。
“水木しげる生誕100周年記念作品”アニメ映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
ぜひ、ご覧になってください!!
最後まで読んでいただきありがとうございました
みんなで歌おう ゲゲゲのゲー♪