2025年10月24日に、NETFLIXで配信された映画「ハウス・オブ・ダイナマイト」
監督は、映画「ハート・ロッカー」の“キャスリン・ビグロー”(後で知った)
アメリカにミサイルが飛んでくる…みたいな話とは知っていた。
誰が出ているかは知らないが、面白そうなので観てみることにしました。
チャミンこれは興味深い…



気になるねぇ


NETFLIX 映画「ハウス・オブ・ダイナマイト」
NETFLIX Japan 公式Xより
ハウス・オブ・ダイナマイト(原題:A House of Dynamite)は、2025年に公開されたアメリカの政治スリラー。
2025年10月3日にイギリス、10月10日にアメリカと日本で限定公開され、10月24日にNETFLIXで全世界に配信された。
STORY
ある日の朝、正体不明の“大陸間弾道ミサイル”(ICBM)がアメリカの向けて発射された。どこの国がどこから発射したかもわからず、アメリカ合衆国連邦政府の当局者たちは慌てて情報を集めていた。ホワイトハウスや国防長官、大統領に情報が共有され、このかつてない危機への対応と決断を迫られる。
監督:キャスリン・ビグロー
上映時間:112分



プランBなんてない…



緊迫感がスゴイ…
監督
キャスリン・ビグロー
キャスリン・アン・ビグローは、アメリカ・カリフォルニア州サン・カルロス出身の映画監督、脚本家、プロデューサー。
1972年にサンフランシスコ・アート・インスティチュート卒業後、ホイットニー美術館の学習プログラムに進み有名アーティストの下でアートを学ぶ。
その後、コロンビア大学芸術大学院に入学し映画理論と批評を学び、1978年短編映画「The Set-Up」で映画監督デビュー。
1981年「ラブレス」で長編映画監督デビューし、1989年に“ジェームズ・キャメロン”監督と結婚するが1991年に離婚。
1995年に元夫であるキャメロン監督の小説を原作とした「ストレンジ・デイズ/1999年12月31日」を監督するも、歴史的赤字で失敗に終わる。
2002年の「K-19」も制作費を下回る興行収入で赤字となった。
2009年「ハート・ロッカー」では、低予算ながらヴェネチア国際映画祭で高い評価を受ける。
この作品は、第82回アカデミー賞で監督賞や作品賞など…計6部門を制した。
ビグローは、史上初となる女性によるアカデミー賞監督賞の受賞者となりました。
観終わった後に知りましたが、アカデミー賞を受賞した「ハート・ロッカー」の女性監督だったんですね。
ジェームズ・キャメロン監督の元妻だったとは…。
この作品はとても緊張感があり構成も面白くて、終わり方もなかなか良かったです。
キャスト
| 役者名 | 役名 | 説明 |
|---|---|---|
| イドリス・エルバ | 大統領 | アメリカ合衆国大統領 |
| レベッカ・ファーガソン | オリビア・ウォーカー海軍大佐 | 海軍大佐で、ホワイトハウスのシチュエーションルームに所属するNo.2 |
| ガブリエル・バッソ | ジェイク・バリントン | アメリカ国家安全保障担当副補佐官 |
| ジャレッド・ハリス | リード・ベイカー国防長官 | アメリカ合衆国政府の国防長官で、キャロラインの父親 |
| トレイシー・レッツ | アンソニー・ブレイディ空軍大将 | アメリカ合衆国空軍大将で戦略軍司令官 |
| アンソニー・ラモス | ダニエル・ゴンザレス少佐 | フォート・グリーリー基地の司令官で、敵ミサイルを検知してGBI(弾道弾迎撃ミサイル)で撃破する任務についている |
| モーゼス・イングラム | キャシー・ロジャース | 連邦緊急事態管理庁(FEMA)の政府存続計画の担当者 |
| ジョナ・ハウアー=キング | ロバート・リーヴス海軍少佐 | 核のフットボールを運搬する報復戦略顧問であり大統領軍事顧問 |
| グレタ・リー | アナ・パーク | 国家安全保障局(NSA)の北朝鮮問題のエキスパート |
| ジェイソン・クラーク | マーク・ミラー海軍大将 | ホワイトハウスのシチュエーションルーム最高責任者 |
| マラキ・ビーズリー | ウィリアム・デイヴィス | 海軍先任上等兵曹で、ウォーカー大佐の部下 |
| ブライアン・ティー | ケン・チョー | シークレットサービスの特別捜査官の責任者 |
| ブリタニー・オグレイディ | リリー・バリントン | 連邦議会補佐官でジェイクの妻 |
| グベンガ・アキンナベ | スティーブン・カイル空軍少将 | アメリカ合衆国戦略軍の参謀 |
| ウィラ・フィッツジェラルド | アビー・ジャンシング | ホワイトハウス担当のCNNの記者 |
| ルネ・エリーゼ・ゴールズベリー | ファーストレディ | アメリカ合衆国のファーストレディ |
| カイル・アレン | ジョン・ジマー空軍大尉 | アメリカ空軍ステルス戦略爆撃機ノースロップ・グラマンB-2(スピリット)のパイロット |
| ケイトリン・デヴァー | キャロライン・ベイカー | ベイカー国防長官の娘 |
オリヴィア・ウォーカー役の女性は、どっかで観たことあるなぁと思ったら…「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」に出ていた女優さんでした。
ベイカー国防長官の娘役もどこかで観たことあるんですけどね…思い出せません。


感想
ミサイルが確認されてから最後まで、ずっと緊張感がありました。
ミサイルの軌道やアメリカ政府の決断が気になり、画面から目が離せなくなります。
もしこんなことが起こったら、アメリカ政府はどう対応するのか?
実際はどうなのかは知りませんが、リアルに描いているようには見えます。
同じ時間軸の出来事を3つのパートに分け、違う場所と人にフォーカスさせている。
これにより、電話の向こうでの表情や行動がわかるという構成は興味深い。
アメリカ政府関係者の人たちの不安が徐々に大きくなっていき、絶望に変わっていく様が恐ろしい…。
“これは訓練ではなく現実なんだ”…信じられないが、この現実を受け止めなければならない。
最終的な判断はもちろんアメリカ合衆国大統領がするわけなんですが、彼がどんな決断をするのかめちゃくちゃドキドキしました。
報復すると言ってもミサイルがどこの国から、どの場所から発射されたのかもわからない。
大統領が悩む姿が生々しく、よく考えると非常に恐ろしい作品でした。
シチュエーションルーム(WHSR)
ホワイトハウス内にあるシチュエーションルームは、いつもと変わらない朝を迎えていました。
朝の挨拶から情報確認など、いつも通りのルーティンといった感じ。
しかし、アラスカ州フォート・グリーリー基地からの通報により…一気に慌ただしくなります。
そこから各機関への連絡やトップの招集が早いんですよね。
マニュアル通りに訓練を重ねているということでしょうか。
この時点では、まだ“DEFCON4”なので…冗談を言えるほどの余裕があります。
ICBM(大陸間弾道ミサイル)は、実験なのかリアルな攻撃なのか、北朝鮮なのかロシア、または中国なのか…とにかく正確な情報が欲しい。
ICBMが実際の脅威だとわかると、GBI(弾道弾迎撃ミサイル)が準備され“DEFCON2”へと移行する。
こうなると大統領と国防長官が招集され、緊張感が高まります。
アメリカ本土に着弾(インパクト)するまでの緊迫した18分間…
そして“DEFCON1”へ…オリビア・ウォーカー海軍大佐も、不安から思わず家族と連絡を取ってしまう。
DEFCON
Defence Readiness Conditionの略で、戦争への準備態勢を5段階で表すアメリカ国防省の規定
DEFCON5…通常の防衛準備状態
DEFCON4…情報収集の強化と警戒態勢の上昇
DEFCON3…高度な防衛準備状態で、アメリカ軍の無線は機密コールサインへ
DEFCON2…最高度に準じる防衛準備状態で、戦略航空軍団を空中待機
DEFCON1…最高度の防衛準備状態で、通常兵器の使用が許可され、大統領命令により核兵器の使用も可能
東西冷戦時代は、常にDEFCON4だった。
1973年の第4次中東戦争、2001年のアメリカ同時多発テロの時はDEFCON3。
キューバ危機1962年10月26日に一度だけDEFCON2になった過去がある。
DEFCON1になったことは一度もない。
フォート・グリーリー基地
太平洋上に配備されたSBX-1(海上配備Xバンドレーダー)が、正体不明のICBMを探知した。
警戒アラートがなり、すぐさまシチュエーションルームに報告される。
司令室は緊張に包まれ、軍人たちも初めての出来事に慌てる様子。
ICBMがアメリカ本土に向かってることが確認されると、GBI(弾道弾迎撃ミサイル)を準備し2発を発射。
訓練は何度もしていても、本当にICBMが向かってきていたら慌てますよね。
2発のGBIは、目標を撃破できず…DEFCON1へ移行。
GBIの精度ってどのぐらいなのでしょうか?
この作品では50%〜61%ぐらいで、「弾丸で弾丸を撃つようなもの」だと…500億ドルかけて。
正直、もっと高い精度で迎撃できるものだと思っていました。
勿体ぶらずに3発目と4発目を射てばいいじゃん!
ダニエル・ゴンザレス司令官もオペレーターを落ち着かせようとしますが、彼自身も緊張のあまり室外へと退席してしまう。
大統領
WNBAなのか…女の子のバスケットボールのイベントに出席していた大統領。
緊急事態ということで、急いでその場を去り車で空港へ。
そこから、アメリカ海兵隊の大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」へと乗り込みます。
この「マリーンワン」は初めて見たんですが、昨日のトランプ大統領の来日の際に乗っていました。
ヘリコプター内で決断を迫られる大統領ですが、相手はわかったの??
レストランのメニューを開くかのように、報復戦略のファイルを大統領に見せるリーヴス少佐。
小規模攻撃・限定的攻撃・大規模攻撃という、3種類の報復攻撃リストが用意されていた。
もちろんターゲットは軍事施設ですよね?
敵の攻撃手段を潰してしまえばいいわけですから…。
まさか…都市部にミサイルなんてないですよね?!
大統領が悩むのは当然で、簡単に決めることはできない重要な決断です。
すぐに「報復だー」なんて言う大統領だったら恐ろしい。
重責を伴う決断に悩む大統領がリアルでした。
3つの視点
この映画は、同じ時間軸の出来事を3つの視点で描いています。
1. INCLINATION IS FLATTENING 傾斜が水平に
ここでは“オリビア・ウォーカー”海軍大佐を中心とした、ホワイトハウスのシチュエーションルーム
“ダニエル・ゴンザレス”少佐を中心としたフォート・グリーリー基地の司令室
WHSR、各統合軍司令官、統合参謀本部議長、戦略軍司令官、国防長官、大統領のビデオ会議(大統領は音声のみ)
これらの場所と人々の様子が描かれています。
2. HITTING A BULLET WITH A BULLET 弾丸で弾丸を撃つ
ここでは“アンソニー・ブレイディ”戦略軍司令官を中心とした、ネブラスカ州オファット空軍基地内のアメリカ戦略軍指揮統制施設・核戦略本部(C2F)
“ジェイク・バリントン”国家安全保障担当副補佐官と“マーク・ミラー”海軍大将を中心とした、ホワイトハウス内の大統領危機管理センター(PEOC)
PEOCからの大統領やロシア外相との電話のやり取りなどが描かれています。
3. A HOUSE FILLED WITH DYNAMITE 爆薬が詰まった家
ここでは“大統領”のその日の動き、緊急事態発生からマリーンワン内の電話会議
“リード・ベイカー”国防長官のその日の動きを追っています。
政府存続計画(COOP)
ベイカー国防長官は「政府存続計画」を発動し、政府高官など指定避難者の避難を命じます。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)の“キャシー・ロジャース”は、核シェルター「レイブン・ロック」に送迎付きで避難する。
ズルいですよね…国民には何も知らせずに、政府高官たちは先に避難させるなんて。
国民に真実を知らせればパニックになるだろうし、その前に国の重要人物を先に避難させるということですね。
日本にもそういう計画があるのでしょうか…ありそうですよね。
評価
Rotten Tomatoesでは2025年10月29日現在、トマトメーター(批評家)78% ポップコーンメーター(観客)77%
metacriticでは、メタスコア75/100 ユーザースコア(観客)5.6/10
IMDbでは、IMDbレーティング6.5/10 ユーザー評価6.2/10
そこそこの評価ですが、思ったより高くない感じではあります。
個人的には好きなんですが、ちょっと意外な評価でした。


まとめ
2025年10月24日より配信された、NETFLIX映画「ハウス・オブ・ダイナマイト」
2009年の映画「ハート・ロッカー」で、史上初の女性によるアカデミー賞監督賞を受賞者となった“キャスリン・ビグロー”監督作品です。
もしアメリカにICBM(大陸間弾道ミサイル)が飛んできたら…
という、とても興味深いテーマでアメリカ政府の対応を描いています。
非常に緊迫感があり、政府関係者たちの顔が次第に“絶望”へと変わっていく様が恐ろしい。
アメリカ合衆国大統領が、最終的にどんな決断を下すのか…。
観ている側もドキドキして落ち着きません。
海外の批評家やユーザーの評価は、思ったより高くはないですが…個人的には好きな作品でした。
是非、視聴してみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



頼むぜ…大統領!







