ずっと観たかった映画「PERFECT DAYS」
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さっそく、400円のレンタルで視聴してみることにしました。
タイミング良かったね
観るべくして観たって感じ
映画「PERFECT DAYS」
映画「PERFECT DAYS」公式Xより
PERFECT DAYSは、2023年公開の日本・ドイツ合作のドラマ映画。
STORY
東京の渋谷でトイレ清掃員として働く“平山”は、淡々とした日々を穏やかに過ごしていた。毎日を同じルーティンで過ごし繰り返しの日々に見えるが、1日たりとも同じ日はなく新鮮な毎日を生きていた。古い文庫を読むことを楽しみとし、木々に差し込む「木漏れ日」の写真を撮り、銭湯で疲れを癒し、いつものお店で晩酌するささやかな日々。そんなある日、思いがけない再会が彼の過去に光を当てた。
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
上映時間:124分
これだけで泣きそう…
音楽がまたいいんだよね
THE TOKYO TOILET
この映画は渋谷区内17ヶ所の公共トイレを刷新する日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」のPRとして製作された。
当初はいくつかの短編映画を製作する予定だったが、監督のヴィム・ヴェンダースが日本のきちんとしたサービスや公共の場所のキレイさに感銘を受け、長編作品として再構想しオリジナルの脚本を書き下ろした。
主人公には当初から、“職人意識”や“責任感”を体現するという構想があった。
監督・脚本
ヴィム・ヴェンダース
本名:エルンスト・ヴィルヘルム・ヴェンダースは、ドイツ・デュッセルドルフ生まれのドイツ人監督。
子供の頃はアメリカに憧れ、アメリカンコミックスに夢中になった。
大学では医学や哲学を学んだが途中で断念し、1966年に画家を目指してパリへ引っ越した。
1日5本以上も映画を観る生活を送り、黒澤映画も含め1千本以上の名作を鑑賞。
1967年にドイツに帰国し、ミュンヘンテレビ・映画大学に入学。いくつかの雑誌で映画批評を執筆したり、1967年からは映画監督として3年間で8本の短編映画を製作した。
1970年「都市の夏」で長編映画監督デビュー、1972年「ゴールキーパーの不安」で第32回ヴェネツィア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。
1974年「都会のアリス」1975年「まわり道」1976年「さすらい」の「ロードムービー三部作」が評価され注目を浴びることとなる。
1982年“フランシス・フォード・コッポラ”の依頼で「ハメット」の監督を務めたが、撮影方針をめぐりコッポラと衝突した。
同時期に監督した「ことの次第」でヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞。
1984年アメリカで撮影したロードムービー「パリ、テキサス」がカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
1989年「ベルリン・天使の詩」がカンヌ国際映画祭で監督賞、1993年に続編の「時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!」が審査員グランプリ、その後も多くの受賞やノミネートを重ねた。
黒澤明と共に日本を代表する監督である“小津安二郎”を敬愛し、1985年にはドキュメンタリー映画「東京画」を製作している。
ヴェンダース監督は、この作品で初めて知りました。
国際的な映画祭で多くの賞を受賞していて、かなり評価されている監督でした。
小津安二郎を敬愛していたり、日本を旅したり、「PERFECT DAYS」を観ても日本に理解があるというか…よくわかっているなという印象でした。
主演
役所広司(平山 役)
本名:橋本広司は、長崎県諫早市出身の日本の俳優。
長崎県立大村工業高等学校卒業後、上京して千代田区役所・土木工事課に就職した。
友人に誘われて行った仲代達也主演の舞台「どん底」に感銘を受け俳優を志し、難関と言われる同氏主宰の俳優養成所「無名塾」の試験に合格した。
芸名の“役所広司”は、前職が「役所勤め」だったことと、役が広くなることを願って仲代達也が命名した。
1979年テレビドラマ「アマゾンの歌」で俳優デビューし、1980年NHK連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」などに出演した。
1983年NHK大河ドラマ「徳川家康」で織田信長を演じ注目を集め、1884年「宮本武蔵」で初主演。
1985年に伊丹十三監督の「タンポポ」で映画デビューし、1988年「アナザー・ウェイ-D機関情報-」で映画初主演を果たす。
1990年「オーロラの下で」で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。
1996年に主演した「Shall we ダンス?」が大ヒットし、同年の「シャブ極道」「眠る男」の演技が絶賛され、その年度の主演男優賞を総なめにした。
1997年「失楽園」が大ヒット、「うなぎ」がカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
その後も出演作が国内外で多くの賞を受賞し、自身も1996年から7年連続で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。
日本を代表する俳優となった役所は2005年「SAYURI」でハリウッドデビュー、翌年の「バベル」で“ブラッド・ピット”と共演し作品はカンヌで監督賞やゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した。
2023年「PERFECT DAYS」に主演し、第76回カンヌ国際映画祭で日本人としては柳楽優弥以来19年振りとなる最優秀男優賞を受賞した。
役所広司は、あの有名な“無名塾”の出身だったんですね。
役所勤めだったから「役所」って面白いですよね。
「タンポポ」や「Shall we ダンス?」など、けっこう昔の映画も観ていました。
ヴェンダース監督は、「Shall we ダンス?」を観て“役所広司”に注目したようです。
この映画は「役所広司」でなければ、これほどの賞賛は受けなかったであろう作品だと思います。
少ない台詞の代わりに、表情や仕草で表現する素晴らしい演技でした。
登場人物
役名 | 役者名 | 説明 |
---|---|---|
平山 | 役所広司 | 渋谷でトイレ清掃員として働く男性 毎日同じルーティンで生活し、古い文庫本と音楽と木が好き |
タカシ | 柄本時生 | 平山の職場の後輩の若者 いい加減なところもあるが、人付き合いはフラット |
アヤ | アオイヤマダ | タカシが好意を抱いている女の子 ガールズバーでバイトしている |
ニコ | 中野有紗 | 平山の妹の娘(姪っ子) 母親との喧嘩を理由に家出して、平山のアパートを訪れる |
ケイコ | 麻生祐未 | 平山の妹でありニコの母親 平山とは疎遠になっていて、ニコをきっかけに久々に再会する |
スナックのママ | 石川さゆり | 平山がオープン当時から通うスナックのママ 家庭的な料理と歌の上手さが魅力 |
友山 | 三浦友和 | スナックのママの元夫の男性 癌の転移をきっかけに7年振りにママの元を訪れる |
ホームレス | 田中泯 | 平山が公園でいつも見かけるホームレスの男性 |
写真展の主人 | 柴田元幸 | 平山が写真を現像するために訪れるカメラ店「十字屋」の店主 |
居酒屋の店主 | 甲本雅裕 | 平山が通う浅草駅地下にある居酒屋「福ちゃん」の店主 いつも「おかえり」「お疲れさん」と言ってくれる |
感想
トイレ清掃員のおじさんが朝目覚めてからの1日を観ているだけなのに、なぜか飽きないというか…ずっと観ていられるんですよね。
観ていれば「何か起こるんじゃないか」と思いつつも…大したことは起こらない。
平山が寡黙にトイレ掃除をしているシーンも、どういうわけかずっと観ていられる。笑
所々に「それあるある」みたいに、共感できる場面もあるし。
台詞は少ないですが、目や表情で演技する“役所広司”が素晴らしくて目が離せません。
普段私たちが見向きもせず通り過ぎる風景や、座ってゆっくり眺める木漏れ日。
この映画を観ると、立ち止まって自分の人生を見つめ直したくなります。
ヴェンダース監督が入念に選んだと言われる音楽も良くて、総じてとてもいい映画でした!
時が経っても色褪せない…素晴らしい作品だと思います。
平山のルーティン
平山には毎日ほぼ決まったルーティンがあります。
- 明け方におばちゃんが道を竹ぼうきで掃く音、いつも同じ時間に起きて、歯磨きをして電気シェーバーで髭を剃る。
- 霧吹きで鉢に植えた“もみじの苗”に水をやり、着替えて玄関に置いてある鍵とガラケーと小銭を持って家を出る。
- 玄関を出たら空を見上げてニヤリ、自販機でカフェオレを買って車に乗り、カセットテープを選んで車で流しながら職場へと向かう。
- 錦糸町から首都高にのって渋谷区へと向かい、トイレ掃除を開始。
- 仕事は黙々とこなし隅々までキレイに仕上げ、途中で人がくれば黙って外に出て空を見上げたり壁に映る木の影を見てニヤリ。
- 昼は「代々木八幡宮」でコンビニで買ったと思われるサンドイッチなどを食べ、空を見上げて昔のオリンパスの“フィルムカメラ”で白黒で「木漏れ日」の写真を撮る。
- 神社でもみじの苗があれば持って帰り、湯呑みに移して育てる。
- 帰宅したら着替えて、自転車で銭湯に向かい一番風呂に入る。
- 帰りに浅草駅地下にある馴染みの居酒屋で晩酌し、帰宅して文庫本を眠くなるまで読んで寝る。
ここまで決まったルーティンで、毎日を過ごしている人は少ないのではないでしょうか。
ある時、後輩のタカシのせいで遅くまで働くことになり、ルーティンが乱れることになります。
さすがの平山も、少し苛立った様子でした。
決まったルーティンを崩されることで、イラつく気持ちはわかります。
例えば、テレビのリモコンがいつもの場所にないとか…自分が決めた位置にそれがないと嫌だったりしますよね。
いつも同じことの繰り返しに思えても、この中で新たな出会いや出来事が起こる。
平山は、新しい毎日を生きている。
平山
スカイツリーの近く、亀戸3丁目辺りの古い風呂なしアパートで暮らす平山。
部屋にはたくさんの古い文庫とカセットテープ、そして…小さな鉢や湯呑みに植えられた“もみじの苗”が並んでいる。
平山は間違いなく、あえてそんな古い物件を選んだのだろう。
部屋から眺める空や木が好きなんだと思います。
仕事は淡々とこなし、ほとんど喋ることはありません。
だからといって人嫌いなわけではなく、後輩のタカシに付き合ってあげたり、誰かに話しかけられれば普通に話します。
姪っ子のニコといる時は楽しそうで、最も笑顔が見られた場面だったのではないでしょうか。
平山が車から園児を見ているシーンや、公衆トイレで困っている子供に手を差し伸べたりする場面。
平山は、きっと子供が好きなんだと思います。
別にトイレ掃除が好きなわけではなく、仕事として責任感を持ってやっている…はず。
周りの目も気にしていないし、彼は今の生活に満足しているのではないでしょうか。
彼の生き方に共感する人も多いはず
自分の人生を考えちゃうね
平山の過去
映画では、平山の過去に「何があったのか」については説明されていません。
しかし、妹との会話である程度の予想はつきます。
妹は運転手付きのLEXUSで現れたことから、会社の社長ではないかと推測できます。
平山の実家は裕福で父親は事業に成功していて、長男の彼は家業を継ぐ予定だったと思われる。
平山はビジネスマンとしてバリバリ働いていて、お金にも困っていなかっただろう。
でも、どこか違和感を感じて満たされない…そんな毎日に嫌気がさしていた。
ある日…ふと見上げた“青い空”や“木漏れ日”を見て、何かを感じたのかもしれない…。
そして、彼は仕事辞め全く違う人生を歩むことを決めた…
そのことで、父親と大喧嘩をして勘当されたのかも。
ヴェンダース監督も「彼は成功したビジネスマンだが、毎日に嫌気がさしていた」などと語っていました。
今の皆さんはどうでしょうか?
自分が過去に思い浮かべていた人生を歩んでいますか?
忙しい日々の合間に、空を見上げ木々を見て…人生を見つめ直してみるのもいいのではないでしょうか。
タカシ
平山の職場の後輩であるタカシは、「仕事を舐めている若者」といった感じです。
無言でコツコツ丁寧に仕事をする平山とは対照的に、携帯でゲームをしながら適当に仕事をする。
ガールズバーのお気に入りの女の子を落としたいから、平山に車を貸してとかお金を貸してとか…。
それでも平山が彼に優しくする理由は、タカシは人付き合いがフラットで差別をしないから。
“でらちゃん”という障害を持った子に対して優しくしているタカシを見て、平山が微笑むシーンがあります。
「だらしない奴だけど憎めないな」といった表情でした。
結局、タカシはいきなり仕事を辞めて平山に迷惑を掛けるんですけどね…。
恩を仇で返すタイプ
ありゃ年とっても直らないよ
ニコ
平山のアパートを唐突に訪れる姪っ子のニコは、どうやら母親と喧嘩をして家出をしてきたようだ。
「家出するなら、叔父さんのとこって決めてたから」とニコは言う。
「なんだよそれ」と言う平山の顔が嬉しそうだった。
ニコは平山に懐いていそうだ…きっと小さい頃にいっぱい遊んでもらったのだろう。
車の中でも楽しそうな平山、姪っ子が可愛くて仕方がないといった感じ。
観ていてとてもほっこりしました…Spotifyのくだりも面白かった。
トイレ掃除をする平山に対して、何か冷たい一言でも言うのではないかと…ちょっとドキドキしました。
銭湯に行ったりサイクリングしたり、平山にとってもニコにとっても「楽しい時間」だったと思います。
ニコは、母親と一体どんなことで喧嘩をしたのでしょうか!?にし
渋谷区の公衆トイレ
東京で暮らしている私は、映画で出てきた公衆トイレの中に実際に使用したことがあるものや、仕事中に見かけたことのあるものがありました。
ロックをかけるとスモークがかかるトイレは、代々木公園の側にある「代々木深町小公園」と「はるのおがわコミュニティパーク」にあります。
ここは実際に使用したことはありませんが、ちょっと不安ですよね…。笑
木材がたくさん並んでいるトイレは、松濤にある「鍋島松濤公園トイレ」で建築家の“隈研吾”氏がデザインしたようです。
ここでの清掃シーンで平山が、鏡の周りの木の上や隙間にあるゴミを拾っていました。
実際にあるパターンだと思って、妙にリアルで笑ってしまいましたよ。
平山が見知らぬ誰かと「三並べ」をするトイレは、山手通り沿い“代々木八幡宮”前にある「代々木八幡公衆トイレ」です。
ここは、私も何度か実際に使用したことのあるトイレです。
平山さんほどキレイにはされていませんでしたけどね。
2024年9月18日現在、ここをGoogle ストリートビューで見ると、偶然にも「THE TOKYO TOILET」の制服を着た清掃員が実際に清掃しているのが写っています。
公衆トイレをキレイにしてくれるのは、本当にありがたいですよね…感謝です。
住む世界
妹に「住む世界が違う」言われていた平山。
「この世界は、本当はたくさんの世界がある。つながっているように見えても、つながっていない世界がある」
と、平山は姪っ子のニコに言います。
カセットテープで昔の曲を聴いたり、古い文庫本を読んだり、木漏れ日を眺めたり、銭湯に行ったり、居酒屋で晩酌したり、平山はお金や社会的地位があった頃より満たされている。
自分が「住む世界」を見つけたようです。
影踏み
スナックのママが男に抱きついているシーンをたまたま目撃してしまった平山は、スナックで飲むのを諦めコンビニで酒とタバコを買って川沿いに行きます。
タバコは昔「Peace」を吸っていて久々だったのか、一口吸って咽せます。(Peaseはかなり強いタバコ)
ママに好意を寄せていたのでしょうか…ショックでずっとやめていたタバコを吸いたくなったのかもしれません。
ちょっと可愛らしくて笑えました。
そこになぜか現れた、ママの元夫の友山…お店を訪れた理由を平山に話します。
「影って重ねると濃くなるんですかね」という友山の謎の発言から、平山は「やってみましょう」と言います。
そこから平山は「影踏みしましょうか」と言って、おじさん2人の“影踏み”が始まる。
観ていてこっちが照れくさくなるというか、微笑ましい場面でもありました。
平山の優しさですね…友山に「元気を出してもらいたい」という気持ちが伝わってきました。
ラスト5分間
いつものように明け方に職場へと向かう平山、カセットテープはニーナ・シモンの“Feeling Good”です。
“黒人差別からの解放”を歌った曲で、「新しい夜明けだ 新しい日 私にとっての新しい人生 そして私はいい気分だ」と歌っています。
この5分間の役所広司の演技(表情)が凄い!
“過去への後悔”と“満足している現在”が入り混じったかのような表情。
過去を思い出しながら「これでいいんだ 俺は新しい人生を歩んでいるんだ」と個人的には読み取りました。
素晴らしいエンディングだったと思います。
最後は朝日に向かって、“首都高4号線”を走って行く…。
音楽
ヴェンダース監督が、時間をかけて慎重に選んだという映画内の音楽。
これがなかなかいいんですよ!
この映画では、平山が通勤で車を運転している間とラジカセで聴く時しか音楽は流れません。
カセットテープが懐かしくて、「あんな風に巻いてたな」と昔を思い出しました。
The House of the Rising Sun
冒頭の平山が出勤する時に車でかけるのが、アニマルズの「The House of the Rising Sun」です。
「どこかで聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
この曲の日本語バージョン「朝日のあたる家」を、平山が通うスナックのママ“石川さゆり”さんが生歌で歌います。
さすが石川さゆりさん、もっと聴いていたかった…↑リンク先は“藤圭子”バージョンです。
Redondo Beach
平山とタカシとアヤの3人で車に乗っている時にかけたのが、パティ・スミスの「Redondo Beach」です。
レドンドビーチは、カリフォルニア州ロサンゼルスのサウスベイにあるビーチです。
私は若い頃にレドンドビーチの割と近くに住んでいたので、何度かサーフィンもしたことがある場所です。
Perfect Day
平山が部屋のラジカセでかけたのが、ルー・リードの「Perfect Day」です。
この曲は、映画「トレインスポッティング」でも流れていました。
映画「PERFECT DAYS」でこの曲が流れるタイミングとしては…どうなのでしょうか…。
Brown Eyed Girl
姪っ子ニコと車で通勤するシーンでは、ヴァン・モリソンの「Brown Eyed Girl」です。
この曲も聴いたことがある人は、けっこう多いのではないでしょうか。
Feeling Good
ラストシーンでかかるのが、ニーナ・シモンの「Feeling Good」です。
5分間の“平山の表情”と“東京の朝日”が最高のラストシーンでした。
4:3(アスペクト比)
「PERFECT DAYS」は、画面比率が昔のテレビのように4:3になっています。
現代のスタンダードの16:9ではないので、画面の両端が余り黒くなっている。
最初は気になるかもしれませんが、すぐに忘れて慣れてきます。
この映画は主人公の平山が昭和の古いアパートに住み、古い文庫本を読み、古いラジカセ、古いカセットテープを聴いたりと、舞台は現代でも昭和の匂いがプンプンします。
つまり、“ノスタルジックな雰囲気”を出すために…あえて4:3のアスペクト比にしたのではないでしょうか。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)96% ポップコーンメーター(観客)90%
metacriticでは、メタスコア(批評家)80/100 ユーザースコア(観客)8.2/10
IMDbでは、IMDbレーティング7.9/10 ユーザー評価8.0/10
かなり高めの評価となっています。
海外のユーザーが、けっこうこの映画を観ているようです。
YouTubeの予告編のコメントにも、多くの外国人が「素晴らし映画」だと書き込んでいます。
役所広司の素晴らし演技、表情だけで国境を越えて感情が伝わっています。
まとめ
映画「PERFECT DAYS」は現在、ストリーミングではU-NEXTの独占レンタル配信のみです。
31日間の“無料トライアル”もありますので、躊躇なく利用して観ていただきたい!
この映画は特に若い人が、「10年後や20年後に改めて観たら違う感想を抱く」そんな映画だと思います。
お金があれば幸せなのか?立派な家に住んでいれば幸せなのか?
自分にとって“幸せな人生”ってどんな人生だろう?
少し立ち止まって考えてみたくなる。“木漏れ日”を眺めたくなる。笑
もしかしたら“ほんの小さな幸せ”が日常にあるのかもしれない…忙しい毎日で見向きもしなかったところに。
毎日を決まったルーティンで過ごす平山は、質素で地味な日常を楽しんでいる。
彼は自分の“住む世界”を見つけたんです。
静かで大きな出来事も起こらない映画なので、観る人によっては退屈かもしれません。
しかし、この映画は多くの人が忘れていることを思い出させてくれます。
ヴィム・ヴェンダース監督が描く東京と日常の風景、そして寡黙な平山という男を見事に演じる役所広司。
そこに作品にマッチした音楽が追加され、美しい映画に仕上がっています。
これは、多くの人に観ていただきたい映画です!
最後まで読んでいただきありがとうございます
♪今度は今度 今は今〜