“Winny事件”と言われる、実際にあった前代未聞の冤罪事件。
この映画は“Winny事件”と共に、同時期に起こった“愛媛県警裏金事件”も同時に描いています。
「いかに日本の司法が腐っているか」がよくわかる映画です。
ひとりの天才プログラマーの人生を台無しにした事件
この事件で失われた7年半は多大な損失であり、日本のIT(情報技術)が大きな遅れをとった原因である。
観終わった後は悔しさが溢れます…
多くの日本人に観てもらいたい映画だね
こんな不当な逮捕は許せないよ!
Winny事件とは
金子勇氏によって開発された“Winny”という名のファイル共有ソフト。これを利用し映画や音楽、ゲーム、わいせつ画像や動画などの流出が相次いだ。本来であれば違法にファイルを流出させた者が処罰されるべきだが、この事件では開発者である金子勇氏が「著作権侵害行為幇助」の疑いで逮捕・起訴されるという前例のない事件である。第一審では“有罪”となったが、7年半後の最高裁で“無罪が確定”した。
2003年11月27日 | Winny利用者の2人が、著作権法違反の容疑で京都府警察によって逮捕される |
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2004年5月9日 | Winny開発者である金子勇氏が、著作権侵害行為幇助の疑いで京都府警察に逮捕される |
2004年5月31日 | 金子勇氏は、京都地方検察庁によって京都地方裁判所に起訴される |
2006年12月13日 | 京都地方裁判所は、著作権法違反の幇助により罰金150万円の有罪判決を言い渡す しかし、検察と被告人共にこれを不服として大阪高等裁判所に控訴した |
2009年10月8日 | 大阪高等裁判所は、一審の京都地裁の判決を破棄し金子勇氏に無罪を言い渡した |
2009年10月21日 | 大阪高等検察庁は、判決を不服とし最高裁判所に上告 |
2011年12月19日 | 最高裁判所は、上告を破棄し金子勇氏の無罪が確定 |
金子勇(1970-2013)
金子勇は、栃木県出身のソフトウェア開発者であり情報工学者。
小学生の頃からプログラミングに興味を持ち、高校生の時に第一種情報処理技術者試験に合格した。
1989年に茨城大学工学部情報工学科に入学し、1999年に同大学院工学研究科情報工学専攻で博士を取得。
その後は、博士研究員として日本原子力研究所に勤務し、地球シュミレータ向けソフトウェアの開発に従事する。
同時期に、3D物理シミュレーション「Animbody」やアニメのミサイルの再現を目指した「Nekoflight」などのフリーウェアを発表。
2001年「WinMX」と「Freenet」を参考に、Peer to Peer(P2P)技術を利用したファイル共有ソフト「Winny」の開発を開始した。
2002年「Winny」を電子掲示板サイト「2ちゃんねる」のダウンロードソフト板で公開し、その時のレス番号から“47氏”と呼ばれるようになった。
2004年に著作権侵害行為幇助の疑いで京都府警察に逮捕され同年に起訴されるが、一度は有罪になったものの7年半の戦いの末に無罪を勝ち取る。
無罪確定から1年7ヶ月後の2013年7月6日、急性心筋梗塞のため43歳でこの世を去った。
金子勇氏は生粋のプログラマーで、それ以外の一般常識は少し欠けていたことが映画を観るとわかります。
天才によくある事例ですね。
子供の頃からずっとひとつのスポーツをやり続けプロになったスポーツ選手など、特に天才と言われる人にはこういう事例があると思います。
例えば野球選手では、長嶋茂雄にはぶっ飛んだエピソードがたくさんあります。
サッカー選手では、マラドーナやロナウジーニョは大金を稼いでおきながらお金を上手く運用できず破産しています。
金子氏は警察に誓約書と称して調書を書かされます。警察は金子氏なら気づかないとわかって騙したのでしょう。
金子氏は裁判中でも能天気な感じで、プログラミングのことばかり考えていたのが印象的でした。
こんな純粋にプログラミングが好きな人が、著作権侵害の蔓延のために「Winny」を作るわけがない!
それは誰の目にも明らかなことです。
彼がいつも考えていたのは“お金儲け”ではなく“国益”でした。
全ては“日本のため”だったのです。
映画「Winny」
映画『Winny』公式サイトより
「Winny」は、実際にあった“Winny事件”を描いた2023年公開の日本映画。
STORY
“Winny”を悪用した著作権侵害で2人が逮捕され、開発者である金子勇も任意同行の末に著作権法違反幇助の疑いで逮捕された。弁護士の壇俊光は、これを不当な逮捕だとし金子と共に戦う決意をする。それと同じ頃、愛媛県警の警察官である仙波敏郎は警察による裏金実態を告発する。2つの事件で共通することは“警察による隠蔽”だった。金子と壇たち弁護団、そして仙波も日本の未来のために奮闘する。
裁判のあり方や警察の実態を疑問視させる作品。
緊張感のある裁判シーンは、実際の裁判をリアルに再現している。
「Winny」は現在、Amazon Prime Videoで見放題で配信されています。
監督:松本優作
上映時間:127分
なんでこんな事が起こったんだろう?
こりゃ陰謀だな!
主演
東出昌大(金子勇役)
東出昌大は、埼玉県出身の日本の俳優、ファッションモデル。
高校時代にメンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得しデビュー。
2012年、映画「桐島、部活やめるってよ」で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
2013年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」「ごちそうさん」に連続で出演。
2014年、映画「クローズEXPLODE」で映画初主演。以降、「菊とギロチン」「コンフィデンスマンJP」「スパイの妻」など多くの映画やドラマで活躍する。
私生活では女優の杏と結婚し3児の父となるが、2020年に映画「寝ても覚めても」で共演した女優・唐田えりかとの不倫が報じられ、同年に離婚を発表した。
私は「あまちゃん」や「ごちそうさん」「コンフィデンスマンJP」も観てないので、東出昌大の芝居をまともに観たのは初めてでした。
この人身長189㎝もあるんですね。
この映画の宣伝用ビジュアルを見ると、東出がデカ過ぎて赤丸の人が金子勇さん役だと“パッと見”勘違いしてしまいました。
東出は金子氏を演じるにあたって、ビジュアルを近づけるために体重を18kg増量したようです。
東出の演技が良くなかったと言う人もいますが、裁判の中で夢中でプログラミングの話をするシーンなんかは特に良かったと私は思います。
不当な逮捕
この事件があった当時、おそらくテレビのニュースで“Winny事件”を目にしていたと思います。
しかし、あの頃にどう思っていたかは思い出せず“無罪”という結末ではなく“有罪”で記憶が止まっていました。
改めて映画を観ると「なぜ開発者が逮捕されなければならないのか」どう考えてもおかしいですよね。
“Winny”より前に、同じP2P技術を使ったサービスで著作権侵害で問題になったのはアメリカの“Napster”です。
しかし“Napster”は民事裁判で、サービス停止はしましたが開発者は逮捕されていません。
だから、弁護士の壇俊光は「開発者が逮捕されることはないだろう」と思っていました。
壇は言います「このナイフで誰かを刺殺したとして、このナイフを作った人を罪に問えるか?」と。
自動車で例えれば「交通事故で人を殺してしまった場合、自動車メーカーを罪に問えるか?」ということです。
金子氏の逮捕がいかに強引なのかが分かりますよね。
陰謀論的な見解
前例のない逮捕と起訴により、金子氏の貴重な研究の時間は失われてしまいました。
映画では、警察が「Winny」に仕込まれたウィルスによって流出してしまった“知られたくない事実”を隠蔽するために開発者を逮捕したのではないかと推測しています。
確かにそれはありえるかもしれませんが、私はさらに上からの圧力があったんだろうと思っています。
TORON
かつてWindowsよりも優秀だと言われた、日本の“TORON”(トロン)というOSがありました。
日本の教育現場などで“TORON”が広まりかけていた矢先、突然アメリカから圧力がかかります。
1989年、アメリカはマイクロソフト社の“MS-DOS”が日本の教育市場に導入されないことを恐れて、“スーパー301条”という強引な条例を発表したのです。
これによりTORON導入を検討していた多くのメーカーが手を引き、TORONがパソコンOSとして広まることはありませんでした。
そして1995年、皆さんご存知の通り“Windows95”が登場し一気に広まります。
“TRON”がパソコン用OSとして世界の市場を席巻してもおかしくなかったんです!
“ビル・ゲイツ”率いるマイクロソフトに奪われ、マイクロソフト社は大儲けしました。
TORON技術は現在、多くの家電機器やロボットにOSとして組み込まれています。
開発者の東京大学名誉教授・坂村健さんは、TORONの著作権を譲渡しTRON技術も無償で提供している。
1988年、巨額の貿易赤字が続いていたアメリカは不公正貿易国を特定して交渉し、成果を得られなければ関税の引き上げなどの報復措置を実行することを定めた。
STAP細胞
こちらは皆さんまだ記憶に新しいかと思います。
2014年、理化学研究所の小保方晴子さんらが“STAP細胞”を発表しました。
当時は“生物学の常識をくつがえす大発見”だと非常に注目されました。
しかし突然いろいろと指摘され否定され、小保方さんは大バッシングを受けます。
それでも小保方さんは言いました
「STAP細胞はあります」
後にアメリカのハーバード大学がSTAP細胞の特許を出願しました。
どうやら取得には未だ至っていないようですが…
でもそれって…どういうことですか?
小保方さんの上司で共にSTAP細胞を発表した笹井芳樹さんは、同年に不審死しています。
自殺と発表されていますが、芸能人も同様に“自殺”という発表は怪しいです。
Winny
金子氏の“Winny”が潰された後、世界のITは急速に進歩します。
Googleの「YouTube」Appleの「iTunes」Facebook(Meta)の「Facebook」Amazonの「amazon」と、いわゆるビッグ・テックと言われる“GAFA”です。
ご覧のとおり全てアメリカの企業です。
3つの共通点
この3つの出来事の共通点は、もし彼らとその技術が潰されなかったら…とんでもない利権を得ていたということです。
TORONが世界中のパソコンOSに導入されていれば…、STAP細胞が認められ特許を取得していれば…、Winnyをさらに開発しP2P技術を応用して様々なサービス展開をしていれば…
世界中から莫大な利益が日本に舞い込んできたことでしょう。
しかし、アメリカはそれを許しません。我々は敗戦国なのです。
世界のトップに躍り出ようなど言語道断!と言わんばかりです。
ニューラルネットワーク
金子氏は“ニューラルネットワーク”に非常に興味を持っていました。
もし金子氏が生きていて“ニューラルネットワーク”の開発に従事していたら、自動運転や音声認識の技術はより高度になり、Googleより優れた検索エンジンが出来ていたかもしれません。
ゲームの“テトリス”を見ただけで理解し、1時間で自分でプログラミングして作った金子氏です。
日本をIT先進国のトップにのし上げることが出来たでしょう!
ゆえに、アメリカが脅威を感じて潰したのだと私は考えています。
TORON、Winny、STAP細胞が失脚したこと、そして開発者の死など…
アメリカのC○Aが暗躍していた…のかもしれません…あなたはどう思いますか?
ニューラルネットワーク(Neural Network)とは、人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)の信号伝達の仕組みを模した方法でデータを処理するようにコンピュータに教える人工知能の一手法。
日本の開発者たち
“Winny”の金子氏や“TORON”の坂村氏は、最先端技術を開発したにも関わらず、それを金儲けではなく世の中のために無償で提供しようと考えていました。
なんて素晴らしい人たちでしょうか
日本人らしいというか…
きっと、人としての器とレベルが違うのでしょう!
それとは対照的に、アメリカのビル・ゲイツたちは金儲けしか頭にありません。
人の技術を盗んでも金にします。
悔しいですよね
彼らは生粋の科学者やプログラマーなんです。
純粋に研究や開発が好きで、世の中をより良くしようと試行錯誤していたんです。
お金より世のため人のためか
政治家も見習えよ!
まとめ
今回は、映画「Winny」をご紹介しました。
天才プログラマー金子勇の逮捕により、日本のITが大きく遅れをとる原因となった“Winny事件”
実際にあった事件の映画化です。
金子氏の人物像や当時の裁判の様子など、できる限り忠実に再現されています。
金子勇役の東出昌大、壇俊光役の三浦貴大などの役者の演技にも注目してください。
この事件を知らない方にはぜひ観て知ってもらいたい!
日本に金子勇という天才プログラマーがいたことを!
そして、彼が未来の開発者のために闘ったことを…
エンドロールで金子勇ご本人の映像とインタビューが流れます。
それを観て皆さんは何を感じるでしょうか?
きっと、この事件がまともじゃなかったことに気付くでしょう。
映画を観終わった後は、非常に悔しい気持ちになります。
金子氏は生前インタビューで「金子さんにとってのプログラミングとは何でしょう?」という質問にこう答えました。
「私にとっての表現方法であり、プログラミング以外の方法でしゃべる術を知らない」
と言いつつ、けっこうお喋りだったようですが。
日本は本当に惜しい人を亡くしました。
いつか、日本の研究者や開発者が世界中から注目を集め、光に照らされることを祈ります。
そして、“日本の腐った司法”がまともになる日がくるのでしょうか…
最後までご覧いただきありがとうございました
金子氏の技術は今もどこかで生きています