2024年6月14日にCGアニメ映画「ウルトラマン:ライジング」が、NETFLIXで全世界に配信されました。
我々の知っている“ウルトラマン”とは違ったフォルムだし…アメリカ人が作ったの?!
「ライジングって何だよ」「CGアニメかぁ」と、あまり期待はせずに視聴してみることにしました。
舞台はアメリカ?
めっちゃ日本だよ!
ウルトラマン
サンスポより
ウルトラマンは1966年(昭和41年)にTBSで放送された、円谷(つぶらや)プロダクション製作の特撮テレビドラマ。
そして、作中に登場する“巨大変身ヒーロー”の名称。
STORY
M78星雲・光の国の宇宙人である“ウルトラマン”は、宇宙警備隊員として宇宙怪獣ベムラーを追跡していた。地球まで追ってきたウルトラマンは、科学特捜隊の“ハヤタ隊員”とぶつかり死なせてしまった。彼を死なせた罪悪感からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分けて一心同体となり、地球の平和を守るために戦うことを決意する。
普段は科学特捜隊員ハヤタの姿で行動するが、怪獣が現れた際などは“ベーターカプセル”を点火させてウルトラマンに変身する。
地球人と会話をすることはなく、「シュワッチ」や「シュワッ」などの掛け声を発するのみ。
プロフィール
身長:40m
体重:3万5千t
最高飛行速度:マッハ5
出身地:M78星雲・光の国
職業:宇宙大学教授、宇宙警備隊銀河系局長(後に支部長)
趣味:読書
家族構成:父…宇宙保安庁長官 母…ウルトラ学校教師
ベーターカプセル
ハヤタがウルトラマンに変身する時に使用するアイテムで、第1話でウルトラマンから託されたもの。
超小型プラズマスパーク核融合装置とベーターコントローラーが、カプセルの内に内蔵されている。
ハヤタはこれを常に携帯していて、ベーターカプセルがないとウルトラマンに変身できない。
必殺技
ウルトラマンには数々の能力や必殺技がありますが、ここでは代表的な3つをご紹介します。
スペシウム光線
代表的な必殺技で、左右の手刀を十字形に交差し体内のスペシウムエネルギーをスパークさせ右手から放つ破壊光線。
右腕にマイナスエネルギー、左腕にプラスエネルギーを蓄えてスパークさせて発射する。
威力は凄まじいいが、効かない怪獣も存在する。
ウルトラスラッシュ
ウルトラスラッシュ(八つ裂き光輪)は、スペシウムエネルギーを円盤かつノコギリ状にした光のカッター。
敵を切り裂き切断し、時には破壊光線を跳ね返す。
ウルトラアタック光線
両腕に高熱エネルギーを発生させ、爆発光線をスプリング状にして放ち相手の動きを麻痺させてから余波を送り粉砕する。
過去に、スペシウム光線が効かない相手に使用したことがある。
変身時間
ウルトラマンの活動時間は“3分間”だと広く認知されているが、初代ウルトラマンの作中では言及されていなかった。
「3分経つとカラータイマーが点滅し、やがて黄色くなり、赤くなったら残り30秒で力を失う」という記述もあったが、後に変身時間は“3分間”だと円谷プロが公認した。
カラータイマー
ウルトラマンが“完全無欠のヒーロー”であり過ぎると面白みに欠けるということで、子供にもわかりやすい弱点として導入された。
また、撮影費用のかかる特撮シーンの経費削減のためという理由もあった。
カラータイマーの“点滅”に関しては、当時の白黒テレビでもわかるように対応した。
怪獣がおちゃめ
映像に味があっていいよね〜
円谷プロダクション
株式会社円谷プロダクション(Tsuburaya Production Co.,Ltd.)は、日本の独立系映像製作会社。
“ウルトラシリーズ”などレベルの高い特殊撮影技術を使用し、数多くのテレビ番組や映画を製作している。
1963年(昭和38年)に“円谷英二”によって「株式会社円谷特技プロダクション」が設立された。
1968年に商号を現在の「株式会社円谷プロダクション」に変更した。
円谷英二
円谷英二(つぶらや えいじ)本名:圓谷英一(つむらや えいいち)
1901年(明治34年)7月7日ー1970年(昭和45年)1月25日 福島県岩瀬郡須賀川町出身
日本の特撮監督、映画監督、撮影技師、発明家、株式会社円谷特技プロダクション(現:円谷プロ)の初代社長。
特殊撮影技術の第一人者であり、円谷が独自に作り出した技術で特撮映画界に多大な貢献をした。
戦争や公職追放などを経験し紆余曲折の人生だったが、1954年の当時53歳だった円谷に「ゴジラ」の企画が飛び込んできた。
円谷は特撮班を編成し、日本初の本格的特撮怪獣映画「ゴジラ」の撮影に挑んだ。
「ゴジラ」は空前の大ヒットとなり、日本映画技術賞を受賞し円谷英二は脚光を浴びた。
1955年の「ゴジラの逆襲」で“特技監督”の肩書を与えられ、その後も多くの怪獣映画に携わる。
1963年(昭和38年)62歳、東宝との専属契約を解除し“株式会社円谷特技プロダクション”を設立。
1966年1月2日に円谷特技プロが、映画並みの製作費をかけ1年費やして製作した「ウルトラQ」がTBSで放送開始された。
「ウルトラQ」は大ヒットし“怪獣ブーム”を巻き起こし、同年の7月に第2弾として「ウルトラマン」の放送を開始。
「ウルトラマン」はさらに怪獣ブームに拍車をかけ、“円谷英二”の名はお茶の間に知れ渡り「特撮の神様」と呼ばれるようになった。
1970年1月25日、静岡県伊東市の浮山別荘にて妻であるマサノと静養中、気管支喘息の発作に伴う狭心症により死去。68歳だった。
同年に1月30日、日本政府より“勲四等瑞宝章”(くんよんとうずいほうしょう)を授与された。
ILM
インダストリアル・ライト&マジック(Industrial Light & Magic)は、アメリカのSFX・VFXの制作会社。
1975年にジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」を製作する際に、かつてない特殊効果を生み出すためにロサンゼルス郊外に開設した。
1978年にサンフランシスコ郊外に移転し、さらに2005年に同じサンフランシスコのレターマン・デジタル・アーツセンターに移転しVFXとCGIの専門スタジオとなった。
「スター・ウォーズ」シリーズ以外にも、「インディ・ジョーンズ」シリーズや「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ハリー・ポッター」「トランスフォーマー」「タイタニック」「ジュラシック・パーク」など多くの映画でVFXを製作している。
賞レースではこれまでに、アカデミー視聴効果賞や技術賞を何度も受賞している。
2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収した際に、ILMもディズニーの傘下となった。
NETFLIX CGアニメ映画「ウルトラマン:ライジング」
円谷ステーション&アニメ!アニメ!より
ウルトラマン:ライジング(原題:ULTRAMAN:RISING)は、2024年6月14日にNETFLIXで全世界配信された日米合作のCGアニメ映画。
円谷プロダクションとアメリカのVFX映像会社インダストリアル・ライト&マジック(ILM)の共同製作。
STORY
日本に帰国し「読売ジャイアンツ」に入団した野球界のスター“サトウ・ケン”、彼はまたスーパーヒーロー“ウルトラマン”として地球の平和を守っていた。ある日の試合中、ケンは突如現れた怪獣ジャイガントロンとウルトラマンに変身して戦うのだが、流れから宿敵ジャイガントロンの子である“赤ちゃん怪獣”の世話をすることになる。子育てに奮闘しながら疎遠になっていた父親や“ウルトラマンの本当の使命”と向き合うことになる…。
監督:シャノン・ティンドル
上映時間:117分
ほっそいウルトラマン
めっちゃ喋ってるし
声優
声優 | キャラクター | 説明 |
---|---|---|
山田裕貴 | サトウ・ケン | 主人公であり、野球のスター選手でウルトラマンでもある |
小日向文世 | サトウ教授 | ケンの父親でウルトラマンは息子に引き継ぎ引退した |
早見あかり | ワキタ・アミ | シングルマザーのジャーナリスト |
立木文彦 | オンダ博士 | 怪獣防衛隊(KDF)の長官 |
恒松あゆみ | ミナ | ケンの世話をするボール型のスーパーコンピューター |
桜井浩子 | アミの母親 | ウルトラマンにも説教をするアミの母親 |
青柳尊哉 | アオシマ隊員 | 怪獣防衛隊(KDF)の隊員で慈悲のある優しい男 |
山田裕貴は、主人公ケンの性格に声が合っていた気がしました。
まさか、ウルトラマンがあんなに喋るとは思っていませんでしたが…
感想
まず初めに言いたいのは、期待せずに観たというのもあるかもしれませんが…予想外に面白かったです!
とにかく“赤ちゃん怪獣”がめっちゃ可愛いんですよ!
あの頃の“ウルトラマン”を知っている大人も、知らない子供も楽しめる作品だと思います。
アメリカ人が勘違いして作ったウルトラマンの映画ではありません!
サトウ・ケン
髪が長めで前髪がうざったいのは、アメリカ人の最近の日本人男性のイメージでしょうか。
昔なら“七三に黒縁メガネ”です。アメリカ人が主人公なら間違いなく短髪ですよね。
ケンは自分が野球界のスターであることを自覚し、帰国後しばらくは自意識過剰で態度もデカい。
しかし、赤ちゃん怪獣の“エミ”の世話をしているうちに変化していきます。
疎遠になっていた父親との関係、子を育てながらの野球(仕事)、地球を守るという使命、これは主人公ケンの成長物語でもあります。
ウルトラマン
この作品の“ウルトラマン”は、我々の記憶しているものとはフォルムが違います。
肩幅が広くウエストが細い逆三角形で、腕や脚も細長くて腹筋まであります。
ウルトラマンの目は黄色系ですが、この作品では目は青い。
「シュワッチ」とかしか言葉を発しないはずのウルトラマンが、人間にも怪獣にもめちゃくちゃ話す。
最初は違和感あるんですが、すぐに慣れて気にならなくなる。
戦闘シーンは、漫画っぽいカットが入ってカッコいいです。
最後の変身の時に、お馴染みのギミックと“シュワッチ”が聞けて最高でした。
赤ちゃん怪獣(エミ)
“怪獣”は「ゴジラ」の世界的知名度の影響もあり、今では“Monster”ではなく海外でも“Kaiju”と表記されます。
無邪気で可愛い赤ちゃん怪獣。
人間も動物も怪獣も、赤ちゃんは同じように無垢で可愛い存在。
表情が可愛くて、野球をしたり街を走り回るシーンはほっこりします。
音楽が流れて、日々の“ダイジェストシーン”みたいなやつ…好きでした。
ミナ
ケンのお世話をするスーパーコンピューターの“ミナ”
非常に優秀なお世話係です。将来あんなものが現実になるのでしょうか!?
とても献身的な彼女ですが、ケンにとっては当たり前の存在になっていたのでしょう。
最後は泣きそうになりました。
日本へのリスペクト
作中にお台場や秋葉原、代官山、東京タワー周辺が出てくるんですが、なかなか精巧に描写されています。
特に看板が面白くて、そのままのものもあれば似せているものもあります。
アコムは“アダム”、ゴーゴーカレーは“怪獣ガオガオカレー”、無印良品(Muji)は“マジ良品”だったり、喫茶ピグモ、ヘアサロンダダ、円谷EIZ銀行なんかもあった。
他にも“ファミマ”や“ローソン”、“ラオックス”っぽいお店もあってリアルでした。
“怪獣酒場”や“東急ハンズ”、“モスバーガー”はそのままでしたね。
街を走る車は“SUZUKI”の軽自動車や“TOYOTA”のアルファード、タクシーなんかもリアルで、ケンの父親の車のナンバーは「M78-U7」だった。
車体はもしかして「帰ってきたウルトラマン」のマット専用車!?
さらに、外国人がよくコスプレして都内を走っているカートまで出てきました。
今の東京をリアルに描いてくれて、非常にリスペクトを感じました。
よく見るといろいろあるんだね
1回観てから街のシーンで止めて探すといいよ
とんかつ“とんき”
ケンとジャーナリストのアミがとんかつ屋で会って話すシーンがあるんですが、あのお店はとんかつ“とんき”の目黒本店で実在するお店です。
店内もほぼそっくりそのまま描かれています。
序盤で2人が行っていた、東京タワーの見える蕎麦屋も実在するのかもしれませんね。
ウルトラマンの使命
ウルトラマンの本当の使命は「調和」でした。
人間や怪獣、あらゆる生命体のヒーローであり、その“調和”を保つこと。
ウルトラマンは宇宙警備隊員ですからね。怪獣を倒すことが仕事ではありません。
ウルトラマン父ちゃん
ケンの父親が息子のピンチに、ウルトラマンとなって現れます。
え!?それって“ヒゲ”ですか?!
そんなウルトラマン見たことないんですけど…
これには笑いました。
変形ロボ
最終バトルでは「パシフィック・リム」に出てきそうなロボットが出てきます。
日本のウルトラマンには絶対に出てこないでしょう。
この辺りは、現代というかアメリカっぽいですね。
親子かめはめ波
登場シーンで笑わせてくれた父ちゃんですが、その後に激闘し胸熱のシーンがきます!
それはまさに、あの「ドラゴンボール」の名シーン!“親子かめはめ波”ではないですか!
いや、“W(ダブル)親子かめはめ波”です!!
これにはテンション上がりました!
ぜひ、多くの人に本編を観ていただきたい。
スペシウム光線なかなか出さなかったからね〜
このために焦らしてたのか
エンディング
エンディングは1時間50分頃までは観てください!
また映像が出ます!
続きがあるってことですよね!?もともと製作する予定だったとか!?
続きがあるなら、それはそれで楽しみですね。
評価
Rotten Tomatoesでは2024年6月19日現在、トマトメーター(批評家)81% オーディエンス(観客)94%でした。
metacriticでは、メタスコア(批評家)65/100 ユーザー(観客)9.3/10でした。
どちらも批評家より観客のスコアの方がかなり高いですね。
観客が称賛している映画の方が面白い気がします。
海外の視聴者が、日本生まれのヒーローであるウルトラマンの映画を楽しんでくれているのは嬉しいですね。
まとめ
日本の“円谷プロ”とアメリカの“ILM”が共同製作したCGアニメ映画「ウルトラマン:ライジング」は、NETFLIXで配信されています。
今まで見たことがない、逆輸入の新しいウルトラマン!
最初は見慣れないフォルムに違和感があるかもしれませんが、観てるうちにすぐ慣れて気にならなくなります。
「地球を守るヒーローであるウルトラマンが、いきなり宿敵怪獣の赤ちゃんの世話をすることになる」という奇想天外なストーリー。
赤ちゃん怪獣は無邪気で可愛いし、東京の描写にはリスペクトを感じます。
親子の絆やウルトラマンの本当の使命には感動します。
大人も子供も楽しめる作品で予想外の面白さ!
気になっている方はぜひ、ご覧になってみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました
♪光の国から 僕らのために き〜たぞ 我ら〜の ウル〜トラマ〜ン