2024年に公開された映画「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
リドリー・スコット監督が再びメガホンを取ったこの作品。
前作の“正統続編”ということで、先に2000年公開の「グラディエーター」を観ました。
久しぶりに観た前作は素晴らしく、マキシマスの英雄ぶりに震えた!
さて、続編はどんなストーリーなのでしょうか!?

ドキドキしちゃうね



名作の続編だからね


映画「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
パラマウント・ピクチャーズ公式Xより
グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声(原題:GLADIATORⅡ)は、2024年公開のイギリス・アメリカ合作の歴史映画。
2000年に公開されたリドリー・スコット監督の「グラディエーター」の続編となる。
STORY
前作でコモドゥスが討たれてから16年後、“ルシアス・ヴェルス”(ハンノ)はヌミディアで静かに暮らしていた。ある日“マルクス・アカシウス”将軍が率いるローマ軍の侵攻により、妻が殺されルシアスは奴隷となってしまった。死ぬまで闘い続ける「グラディエーター」となったルシアスは、ローマ帝国への復讐を胸にコロセウムでの闘いに身を投じていく。
監督:リドリー・スコット
上映時間:148分



巨大なサイ!?



ワクワク…
監督
リドリー・スコット
サー・リドリー・スコットは、イングランドのタイン・アンド・ウィアのサウス・シールズ出身のイギリスの映画監督、映画プロデューサー。
3人兄弟の次男として生まれ、ウエスト・ハートブール美術大学でグラフィックデザインや舞台美術を学ぶ。
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに進学し、卒業後にBBCにセット・デザイナーとして入社する。
テレビディレクターに限界を感じ退社、CF制作会社を設立し1,900本以上のCFを製作し多くの賞を受賞する。
1977年に映画「デュエリスト/決闘者」で監督デビューし、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞。
1979年「エイリアン」が世界的大ヒットとなり、アメリカに拠点を移す。
1982年「ブレードランナー」でコアなファンを獲得し、1989年「ブラック・レイン」が大ヒット、1991年「テルマ&ルイーズ」で初のアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
2000年「グラディエーター」が大成功し、アカデミー賞とゴールデングローブ賞で作品賞を受賞。
2001年「ブラックホークダウン」、「ハンニバル」で2年連続のアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
2007年「アメリカン・ギャングスター」、2015年「オデッセイ」、2017年「エイリアン:コヴェナント」、2023年「ナポレオン」、2024年「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
映画「トップガン」を監督した“トニー・スコット”は実の弟である。
2003年にイギリス映画産業への貢献を認められ、“ナイト”の称号を授与された。
やはり続編は、リドリー・スコット監督に撮って頂きたかったですね。
かなりの高齢でありながら、よくぞ製作してくれました…ありがたいです。
主演
ポール・メスカル(ルシアス・ヴェルス役)
ポール・メスカルは、アイルランド・メイヌース出身の俳優。
俳優になる前は、アイルランドの国民的スポーツの「ゲーリックフットボール」の選手だった。
リール・アカデミーで演技を学び、16歳の時にミュージカル「オペラ座の怪人」で舞台デビュー。
2020年に初出演したテレビドラマ「ふつうの人々」での演技が高く評価され、英国アカデミー賞テレビ部門主演男優賞を受賞した。
2021年「ロスト・ドーター」で映画デビューし、2022年「aftersun/アフターサン」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
2022年に舞台「欲望という名の電車」に出演し、2023年にローレンス・オリヴィエ賞男優賞を受賞した。
2024年「グラディエーターⅡ」で主役の“ルシアス・ヴェルス”を演じた。
映画「aftersun/アフターサン」で初めて知った“ポール・メスカル”ですが、まさか「グラディエーター」の続編に主演するとは驚きました。
お父さん役からまるで違う“英雄”を演じたわけですが、なかなか良かったのではないでしょうか。
キャスト
役者名 | 役名 | 説明 |
---|---|---|
ポール・メスカル | ルシアス・ヴェルス | ルッシラの息子で、前作の後にローマから亡命していた ヌミディアでは“ハンノ”と名乗り、妻と静かに暮らしていた |
ペドロ・パスカル | マルクス・アカシウス | ローマ軍の将軍であり、ルッシラの再婚相手 皇帝の悪政に我慢の限界がきている |
デンゼル・ワシントン | マクリヌス | 元奴隷だが、皇帝や元老院を利用してローマの支配を目論む ルシアスの才能に目をつけ、彼を利用して皇帝に近づく |
コニー・ニールセン | ルッシラ | ルシアスの母で、息子を守るためにローマから亡命させた ローマの未来のため、アカシウスと反乱を計画する |
ジョセフ・クイン | ゲタ | カラカラの兄であり、ローマの共同皇帝 |
フレッド・ヘッキンジャー | カラカラ | ゲタの弟で共同皇帝、ペットに猿を飼っている |
デレク・ジャコビ | グラックス議員 | 元老院議員で皮肉屋の男 |
リオル・ラズ | ウィッゴ | 元剣闘士であり、マクリヌスの元で剣闘士のトレーナーをしている |
ティム・マッキナリー | トラエクス | 元老院議員であり、ギャンブル中毒者 |
アレクサンダー・カリム | ラヴィ | 元剣闘士のインド人で、今は剣闘士の治療をする医者 |
ロリー・マッキャン | テグーラ | 皇帝の近衛兵のリーダー |
ピーター・メンサー | ユーグルタ | ヌミディア人の族長で、ルシアスを指導した 剣闘士となりルシアスと共に闘う |
マット・ルーカス | 闘技場の進行役 | コロッセウムで進行役を務める男 |


感想
前作「グラディエーター」の正統続編として楽しめたんですが、少々やり過ぎた感も感じてしまいました。
主演の“ポール・メスカル”は頑張っていたし、“デンゼル・ワシントン”の悪党ぶりも良かったです。
しかし、巨大なサイはギリギリだとしても…コロセウムに水を溜めてからのサメはどうかと思いました。
急に“サメ映画”のB級感が出てしまったかなと…。
「その後」を描いた作品だったんですが、やはり前作を超えることは出来ませんでしたね。
とはいえ、戦闘シーンやコロセウムのシーンは迫力があって見応えがあったし…最後には感動しました。
ルシアス
ハンノと名乗り、ヌミディアで妻と静かに暮らしていたルシアス。
母は息子の安全のために亡命させたが、ルシアスは捨てられたと思っていたのかもしれない。
皇帝の血を引くルシアスですが、無情にもローマ軍がヌミディアに攻め込んできます。
父・マキシマスと同じように…妻を失い奴隷となってしまう。
皮肉にも父と同じ道を辿り、“グラディエーター”となるルシウス。
彼は将軍ではないですが、闘いのセンスは父親譲りです。
子供の頃に見て憧れた、マキシマスの闘いが目に焼きついているのでしょうか。
手に砂を擦り付けるシーンは、観ていて少しニヤけてしまいました。
自身が何者かを知り、その宿命へと立ち向かうルシアスがカッコ良かったです。
まだ俳優経験の浅いポール・メスカルですが、大作に抜擢され彼自身も「人生最高の経験だった」と語っています。
最後の演説はお見事でした。
アカシウス
ローマ軍の将軍であるアカシウスは、マキシマスのような英雄です。
2人の皇帝に忠実に仕えていましたが、その悪政に耐えられなくなっていました。
確かに、あのガキどもに好き勝手やられてる訳ですからね。
勇敢で優しい将軍で、最後まで好感の持てる男でした。
演じた“ペドロ・パスカル”は、最近よく観るようになりました。
初めて観たのはNETFLIX シリーズ「ナルコス」でしたが、映画「キングスマン:ゴールデン・サークル」などちょくちょく見かけるようになりました。
世界的人気ゲームを実写ドラマ化した、「THE LAST OF US」の“ジョエル”役は素晴らしかったです。
今年の4月にシーズン2が配信されるので、非常に楽しみにしています。
マクリヌス
かつては奴隷だったが、商人や剣闘士のスポンサーとして巨万の富と影響力を得たマクリヌス。
ルシアスの才能を見抜き、彼を利用して皇帝たちに近づく。
言葉巧みに皇帝たちを操り、ローマを支配しようと目論む野心家。
こいつが悪い男なんですよね。
自分がのし上がるためなら、人を騙したり殺したりするのもためらわない。
実際にこういうクソ野郎はいたんだろうな…。
どうやら、実在したローマ皇帝マクリヌスをモデルとしているようです。
実際に彼のようにのし上がった野心家の男のようですね。
さすがは“デンゼル・ワシントン”、憎たらしい悪役を見事に演じていました。
彼もポール・メスカルと同様に、この大作に出演できたことを「素晴らしい経験だった」と語っています。
ルッシラ
前作から引き続き登場する、故コモドゥスの姉であるルッシラ。
相変わらず皇帝たちからはよく思われておらず、居心地の悪い様子は変わりません。
恋多き女性で、新たにローマ軍の将軍アカシウスと再婚していました。
コモドゥスが討たれた後に、息子の身を案じローマから亡命させていた。
皇帝の一族なのに、この人はなかなか幸せになれないですね。
成長した息子には会えたものの、とても残念な結果となってしまいました…。
彼女を演じた“コニー・ニールセン”も、まさか25年後に同じ役を演じるとは思っていなかったでしょう。
「トップガン」の“ケリー・マクギリス”のように、別人になってなくて良かったです。笑
コロセウム
前作では虎が出てきたコロセウムの闘いですが、今作ではヒヒやサイ、サメまで出てきます。
サイが巨大だったりコロセウムにサメとか、あり得ない部分はあるもののヒヒやサイ、模擬海戦も史実に即しているようです。
模擬海戦(ナウマキア)は、実際にコロセウムに水を張って“模擬海戦”をしたという史実がある。
映画を観ていて「それはないでしょ〜」と思っていましたが、まさか本当にやっていたとは…。
とはいえ、あんなに深くはないですよね?!
サメは…さすがにやり過ぎたのではないでしょうか。
ゲタとカラカラ
コモドゥスの死後に、共同皇帝として即位したゲタとカラカラ。
まだ子供のような2人は、巨大なローマ帝国を統治するには幼過ぎます。
人の死を何とも思っていない彼らは、あまりにクレイジーなクソガキども。
そりゃ、アカシウス将軍もやってられませんわ。
まあ、彼らの破茶滅茶ぶりがまた…この映画を盛り上げていたんですけどね。
そんな彼らも実在した皇帝で、帝国の主導権を争っていたようです。
兄が弟を殺し、その他多くの人が処刑されてしまった。
映画ではゲタが兄なんですが、史実ではカラカラが兄なんですよね…。
なぜ入れ替わっているのでしょうか。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)71% ポップコーンメーター(観客)82%
metacriticでは、メタスコア(批評家)64/100 ユーザースコア(観客)5.4/10
IMDbでは、IMDbレーティング6.6/10 ユーザー評価6.6/10
そんなに高くもなく低くもない、といった評価となってます。
前作「グラディエーター」ほどの高評価にはならなかったようです。
スケールは大きくCGIも素晴らしいが、前作を超える脚本や興奮が足りなかったのかもしれません。


まとめ
2024年に公開された「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」が2025年3月9日現在、Amazon Prime VideoやU-NEXTでレンタル視聴することが出来ます。
“リドリー・スコット”監督が再びメガホンを取り、“ポール・メスカル”主演で製作された「グラディエーター」の正統続編。
前作に続きルッシラ役の“コニー・ニールセン”などが出演しており、新たに“ペドロ・パスカル”や“デンゼル・ワシントン”が脇を固めています。
前作と同様にスケールが大きく、戦闘シーンは迫力がありCGIも素晴らしい!
しかし、少しやり過ぎた感もあり…前作はやはり超えられなかったという印象。
視聴するのであれば、前作を見返してからの方がいいです。
なんせ25年も経っていますから、ほとんどの人が忘れているでしょう。
“英雄マキシマス”から受け継いだ信念と戦闘センス、腐敗した巨大帝国ローマを救うことが出来るのか!?
ぜひ、視聴してみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



力と名誉を!