2025年10月9日にNETFLIXで、オリジナル・テレビシリーズ「BOOTS」が配信されました。
日本語タイトルは「オレたちブーツ」です…何それ!?
英語の「BOOT」には、靴のブーツの他に海兵隊のスラングで“新人”という意味があります。
だから、日本語タイトルが「オレたちブーツ」(オレたち新人)となっているのでしょう。
軍隊式のトレーニングや、短期間の厳しいトレーニングにも使われます。
ひと昔前に流行った、Billy’s Boot Camp(ビリーズ ブートキャンプ)なんかは…記憶に新しい。
それにしても、「オレたちブーツ」は奇妙なタイトルですよね…。
けっこう評価が高いようなので、とりあえず観てみることにしました。

ブーツ!



タイトルには惹かれない…


NETFLIX シリーズ「BOOTS/オレたちブーツ」
NETFLIX Japan公式Xより
オレたちブーツ(原題:Boots)は、2025年10月9日に配信されたアメリカのNETFLIX製作のミリタリー・コメディ・ドラマのテレビシリーズ。
原作は、アメリカ海兵隊の元軍曹である“グレッグ・コープ・ホワイト”の回顧録「ピンク・マリーン」(the pink marine: one boy’s journey through boot camp to manhood)
原作では1979年が舞台となっているが、この作品では1990年代を舞台としている。
全8話で構成され、1話40分程度となっている。
STORY
1990年の夏、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズに住む青年“キャメロン・コープ”は、高校を卒業したが人生に迷っていた。彼は学校ではイジメられ家族には無視され、また自分がゲイであることを隠していた。キャメロンは人生を変えるため、親友の“レイ・マカフィー”と共にアメリカ海兵隊に入隊する。
監督:ピーター・ホア(第1話)、フィル・アブラハム(第2,3話)、サイラス・ハワード(第4,5話)、カイル・パトリック・アルバレス(第6,8話)、タニヤ・ハミルトン(第7話)
視聴時間:40〜50分
エピソード
話数 | 日本語サブタイトル | 英語サブタイトル | 時間 |
---|---|---|---|
エピソード1 | ピンクの海兵隊員 | The Pink Marine | 41分 |
エピソード2 | バディ制度 | The Buddy System | 40分 |
エピソード3 | 自信養成訓練 | The Confidence Course | 43分 |
エピソード4 | 沈むか、泳ぐか | Sink or Swim | 42分 |
エピソード5 | 的中 | Bullseye | 46分 |
エピソード6 | それぞれが抱えるもの | The Things We Carry | 40分 |
エピソード7 | 愛は戦場 | Love is a BattleField | 45分 |
エピソード8 | 最後の試練 | The Crucible | 50分 |
登場人物
役名 | 役者名 | 説明 |
---|---|---|
キャメロン・コープ | マイルズ・ハイザー | ニューオーリンズに住む高校を卒業したばかりのゲイの青年 学校ではイジメられ家庭では無視され、自分を変えるために海兵隊に入隊する |
バーバラ・コープ | ヴェラ・アン・ファーミガ | キャメロンの母親で、息子が海兵隊に入隊したことに後で気づく |
レイ・マカフィー | リアム・オー | キャメロンの親友で、元海兵隊の父親ハーランに厳しく育てられた 空軍を目指していたが、視力の問題で諦めてキャメロンを誘い父と同じ海兵隊の道へ |
ハーラン・マカフィー | アンソニー・ファーブル | レイの父親で元海兵隊員…厳しい規律の下で息子を育てた |
ジューン・マカフィー | ジョイ・オスマンスキー | レイの母親で、夫とは違って優しい女性 |
デニス・ファハルド大尉 | アナ・アヨラ | 中隊長である女性司令官で、サリバンのことを気にかけている |
リアム・ロバート・サリバン軍曹 | マックス・パーカー | ノックスに変わって、グアムから第2032小隊に配属された訓練教官補佐(三等軍曹) 優秀な偵察隊員だったが、ある秘密を抱えている |
マーカス・マッキノン軍曹 | セドリック・クーパー | 第2032小隊の訓練教官(二等軍曹)で、厳しい中にも優しさが見える |
キャリー・ウェイン・ハウイット軍曹 | ニコラス・ローガン | 第2032小隊の訓練教官補佐(三等軍曹) |
ノックス軍曹 | ザック・ローリグ | 第2032小隊の訓練教官補佐(三等軍曹)だったが、レイに人種差別的な発言をし暴行 そのことが原因となり、別の小隊へと異動する |
エドゥアルド・オチョア | ジョナサン・ニーヴス | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 愛する妻グロリアのために、男らしくなろうと海兵隊に入隊した |
コーディ・ボウマン | ブランドン・タイラー・ムーア | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 ジョンとは双子の兄弟だが、両親の不仲の影響で兄弟仲も悪い(父親と仲が良い) |
ジョン・ボウマン | ブレイク・バート | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 コーディとは双子の兄弟だが、両親の不仲の影響で兄弟仲も悪い(母親と仲が良い) |
アイザイア・ナッシュ | ドミニク・グッドマン | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 軍隊を経歴に入れるため、両親には内緒で入隊…日記のようなものを書いている |
サントス・サントス | リコ・パリス | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 成績は優秀だが、膝を痛めているという不安要素がある |
ニコラス・スロヴァチェク | キーロン・ムーア | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 窃盗事件で逮捕されたが、裁判官に刑務所か海兵隊の二択を迫られ海兵隊に入隊した |
タデウス・ボー・スターリング・ヒックス | アンガス・オブライエン | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 奇妙な行動を繰り返し、何を考えているかわからない男 |
ジョシュア・ジョーンズ | ジャック・キャメロン・ケイ | キャメロンと同じ第2032小隊の新兵 睡眠障害による夢遊病で傷病小隊に所属していたが、第2032小隊にやってきた男 |


感想
このドラマは…かなり面白かったです!
海兵隊の厳しい新兵訓練は、完全に「これただのイジメだろ!?」という感じだが笑える。
時代が違うとはいえ、今でもあんな感じなのではないかと想像できます。
自分があんな毎日を過ごすとなれば絶対に嫌なんですが、観ている分には面白いんですよね。
厳しい訓練に耐え共に生活する中で、友情が芽生えチームワークも出来ていく第2032小隊。
レイ、仲間たち、サリバン、母親、彼らとキャメロンの関係や成長がこのドラマの見どころです。
教官たちの理不尽な行動や罵声、それらが酷いんですがちょっと笑えます。
あとは、海兵隊の訓練や生活がとても興味深く面白かったですね。
様々な出来事が起こりますが、最後には感動してしまいました。
キャメロン
自身がゲイであることは隠していたが、学校ではいつもイジメられていたキャメロン。
親友のレイに誘われ「海兵隊に入隊する」と母親に話しても、彼女はまともに話を聞いてくれない。
レイもいることだし“自分を変えるため”に、アメリカ海兵隊への入隊を決めました。
サマーキャンプ程度だと思っていたが、実際はまるで違う場所で逃げ出したくなったキャメロン。
しかし、レイに止められ“自分が何をしにきたのか”考えて覚悟する。
一緒に訓練をする第2032小隊の仲間たちは、なかなかの個性派の集まりです。
キャメロンは華奢でゲイっぽいため、馬鹿にされたり教官にも目をつけられたりします。
特に途中から部隊に来たサリバン軍曹は、キャメロンを特別な目で見るようになる。
キャメロンは海兵隊の厳しい訓練に耐え、成長し自分を変えることが出来るのか…。
レイ
元海兵隊の父親ハーランに、厳しい規律の下で育てられたレイ。
父親に支配されている感はあるが、レイも父親に認められる男になりたい。
最初は空軍を目指していたが、視力の問題で断念し父親と同じ海兵隊に進路を変える。
レイは、親友のキャメロンがゲイである事を知っている唯一の人間。
海兵隊は同性愛を禁じているが、レイは敢えてキャメロンを誘った。
レイは一見すると強いように見えるが、実は弱い部分もある男です。
人間は誰しも悩みや不安がある…それぞれ抱えているものがあるんですよね。
彼自身も自分を変えたい、もっと強い人間になりたかった。
アジア系アメリカ人であるレイは、人種差別的なものを受けてしまう。
何でも器用にこなすレイですが、苦難を乗り越えて“最優秀者”(オーナーマン)を目指します。
オチョア
入隊してすぐ、ヒックスにブーツを隠されてしまったオチョア。
寝床の二段ベッドは、キャメロンと一緒になります。
愛する妻のために…未来に生まれてくる子供のために、立派な男(海兵隊)になろうとしています。
ちょっとカマっぽい見た目なので、もっと男らしくなりたかったのでしょう。
オチョアは妻グロリアが全てで、めちゃくちゃ愛しているのがわかる。
教官のハウイットが、「お前の妻は今ごろ兄弟や犬とヤってる」とかかなり酷いことを言います。
あまりに酷過ぎて、逆に笑ってしまうんですが…笑
そんなオチョアは、射撃で天才的な才能を発揮します。
彼自身も驚き非常に喜ぶんですが、サリバンの言葉に衝撃を受け悩んでしまう。
「人を殺しに来たんじゃない」
軍隊の訓練は国のために戦うためであり、人を殺すための訓練でもある。
このことに悩む兵士は、実際にいるのではないでしょうか。
人の命を奪うことの重み…
相手にも家族があり人生があります…それを戦争を理由に奪うわけですから。
原作にあるのかは知りませんが、このシーンを入れたのは非常に良かったと思います。
オチョアに起こった出来事は衝撃的で、彼が第2032小隊に与えた影響は大きいのではないでしょうか。



オチョア…



ショックだったろうな…
サリバン
ノックスに変わって、グアムから転属してきたサリバン。
“シルバー・スター勲章”をを持つエリート偵察兵だが、なぜブートキャンプへ来たのか。
最初から謎の多い男サリバンは、キャメロンに特に厳しくしてきます。
キャメロンがゲイだということを見破り、自分と重ねて見ていたのかもしれない。
ゲイにとっては、軍隊なんて天国なんでしょうね。
ムキムキの男らしい男たちと、毎日一緒に過ごせるわけですから。笑
同性愛が禁止されていた時代でも、けっこうゲイの人が隠れていたのかもしれませんね。
サリバンのような完璧っぽい人間にも…悩みや弱さがある。
教官である彼も、自分の人生に迷い進むべき道に悩みます。
サリバンがキャメロンに与える影響も見どころです。
教官たち
マッキノンを中心とした教官たち。
新兵たちに厳しい彼らも、たまにちょっと優しさを見せるのが良いんですよね。
ハウイットは、いつも至近距離から大声で罵声を浴びせます。
その罵声が酷過ぎて笑える。
「どっからその言葉が思いつくんだよ」笑
そんな彼もただ悪口を言っているわけではない…というのが観ててわかります。
新兵たちのために敢えて厳しくして、立派な海兵隊になってもらいたいということですね。
ご褒美が「ゴーストバスターズ2」というのが笑えました。
第2032小隊
どの部隊もそうかもしれませんが、様々なキャラクターが集まった第2032小隊。
双子のボウマン兄弟は、親の不仲の影響で仲が悪くなっている。
本当は仲良くしたいのに、お互い素直になれないのがもどかしい…。
ヒックスは奇妙な行動をとり、最後までよくわからない奴だった。
彼のバックグラウンドが描かれていないので、ただただ奇妙な奴になってしまっている。
ナッシュの日記も何だったんだろうな…最終的にはリーダー的な存在になったけど。
サントスは、ナッシュと区別がつかなくてこんがらがる。
ジョーンズも変な奴で、何がしたかったのかよくわからない。
スロヴァチェクも中途半端な奴なんですよね…。
全員を深掘りしたらキリがないですが、もう少しそれぞれのバックグラウンドがあっても良かったかもしれません。
バーバラ
キャメロンの母親のバーバラ。
息子の話も真剣に聞かないし、興味があるのかないのかよくわからない。
留守電で息子の行方がわかって、海兵隊募集の事務所に行って…そこにいた海兵隊と寝る。
なんじゃそりゃ!?
かと思えば、海兵隊の母の会でまるで詐欺のように化粧品を売ろうとする。
息子のキャメロンに嘘つき呼ばわりされ、彼のことも全く理解していない。
彼女は最後にどんな決断をするのか…。
評価
Rotten Tomatoesでは2025年10月22日現在、トマトメーター(批評家)91% ポップコーンメーター(観客)90%
metacriticでは、メタスコア(批評家)72/100 ユーザースコア(観客)6.3/10
IMDbでは、IMDbレーティング8.0/10 ユーザー評価8.0/10
どのサイトでも高い評価を得ています。
日本のFilmarksでも4.1/5.0という高い評価となっています。
シーズン2の製作はまだ発表されていませんが、彼らのその後を描くならまた観てみたいですね。


まとめ
2025年10月9日より配信されている、NETFLIX シリーズ「BOOTS/オレたちブーツ」
変なタイトルで惹かれないかもしれませんが、実はこのドラマは面白いんです。
1990年代を舞台に、ゲイの青年が友人と共にアメリカ海兵隊に入隊する。
厳しい訓練と仲間との共同生活で、様々な出来事が起こりながらも成長していく。
海兵隊の訓練は興味深く、彼らに芽生えていく友情と絆に感動する。
1話40分程度と長くないので、最後の8話まで一気に観ることも出来ます。
シーズン2の製作は発表されていませんが、彼らはもう“BOOTS”ではありませんからね。
音楽も良くて面白いので、ぜひ視聴して見てください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



ウーラー!