久しぶりにApple TV+を開くと、「ロスト・バス」という映画が目についた。
主演は“マシュー・マコノヒー”で、私の好きな俳優の一人である。
映画「インターステラー」で彼に興味を持ち、ドラマ「トゥルー・ディテクティブ」での演技に圧倒された。
2019年の映画「ジェントルメン」を最後に俳優を休業し、家族と過ごしたり自分の人生を振り返り本にしていたという。
そんな彼が、また俳優業にカムバックしてくれてとても嬉しく思います。
ということで、映画「ロスト・バス」を観てみることにしました。

“マシュー・マコノヒー”いいよね!



“トゥルー・ディテクティブ”は最高だった!


Apple Original Films「ロスト・バス」
Xより
ロスト・バス(英題:The Lost Bus)は、2025年に公開されたアメリカの映画。
2018年アメリカ・カリフォルニア州で実際に起きた、全米史上最悪の山火事と言われる“キャンプ・ファイア”の悲劇。
山火事から子供たちを救い出すため奔走する、“スクールバスの運転手と教師”の姿を実話に着想を得て描いている
2021年の“リジー・ジョンソン”による「パラダイス:アメリカの山火事を生き延びるためのある町の闘い」が原作となっている。
2025年9月19日にアメリカの劇場で限定公開され、10月3日にApple TV +で世界中に配信された。
STORY
カリフォルニア州北部の山に囲まれた町“パラダイス”で、大規模な山火事が発生した。いつも通り子供たちを送迎し帰路についていたスクールバスの運転手“ケヴィン・マッケイ”、そんな彼に本部から「小学校に22人の子どもたちが取り残されている」という無線が入る。現場から近く、空いている車両はケヴィンのバスのみだった。小学校に向かったケヴィンは、22人の子供たちと教師の“メアリー・ルートヴィヒ”を乗せて避難所へと向かう。しかし、市街地へと抜ける道は大渋滞で動かず、ケヴィンは別の道を選択するが…。
監督:ポール・グリーングラス
上映時間:129分



すごい山火事…



これが本当に起きたんだよね…
キャンプ・ファイア
〜カリフォルニア史上最悪の死者数と破壊力を持った山火事〜
2018年11月8日の朝、カリフォルニア州ビュート郡で発生した火災は11月25日まで約2週間も燃え続けた。
原因は、フェザーリバーキャニオンにある“パシフィックガス & エレクトリックカンパニー”(PG&E)の送電線が、保守不良だっため強風により破損したことだった。
強風に煽られた炎は急速に広がり、付近の各コミュニティを焼き尽くし破壊した。
この山火事で、153,336エーカー(62,050ヘクタール)を消失、死者85名、5万人以上が避難、18,000棟以上の建造物が損壊、被害総額は推定165億ドル。
PG&Eは、2019年1月に山火事による債務が推定300億ドルになるという見込みから破産申請を行った。
2019年12月6日、PG&Eは山火事被害者に対し135億ドルの和解案を提示し、2020年6月16日に84件の過失致死罪で有罪を認めた。
監督
ポール・グリーングラス
ポール・グリーングラスは、イギリス・サリー州チーム出身のイギリスの映画監督、映画プロデューサー、脚本家、元ジャーナリスト。
1980年代にイギリスの時事番組「ワールド・イン・アクション」のディレクターを務め、その後ドラマ界に進出し「逃亡者」などいくつかの作品を監督した。
2002年に映画「ブラッディ・サンデー」で、ベルリン国際映画祭“金熊賞”を受賞。
2004年「ボーン・スプレマシー」、2007年「ボーン・アルティメイタム」、2016年「ジェイソン・ボーン」と“マット・デイモン”主演の「ボーン」シリーズの監督を務める。
2006年「ユナイテッド93」で英国アカデミー賞監督賞を受賞し、アカデミー賞監督賞にもノミネートされた。
2010年「グリーン・ゾーン」、2013年「キャプテン・フィリップス」、2018年「7月22日」、2020年「ニュース・オブ・ザ・ワールド」
2025年カリフォルニア州で実際に起きた山火事“キャンプ・ファイア”を描いた映画「ロスト・バス」を監督。
2022年に英国王室より“大英帝国勲章コマンダー”(CBE)を授与された。
主演
マシュー・マコノヒー(ケヴィン・マッケイ役)
マシュー・デヴィッド・マコノヒーは、アメリカ・テキサス州ウバルデ出身のアメリカの俳優、映画プロデューサー。
テキサス大学で心理学と哲学を専攻し、ロースクールへの入学を目指していたが俳優志望に変更。
大学卒業後にロサンゼルスに移住し、有名なタレント・エージェンシーと契約した。
いくつかの作品に出演し、1996年に多くのスターを抑え「評決の時」の主役の座を勝ち取る。
1997年「コンタクト」、スティーブン・スピルバーグ監督作品「アミスタッド」などの演技で、若手実力派としての地位を固める。
2011年「リンカーン弁護士」、2012年「マジック・マイク」、2013年「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、2014年「インターステラー」、これらの作品の演技が賞賛された。
2013年[MUD-マッド-」で、アカデミー賞とゴールデングローブ賞で主演男優賞を受賞。
2014年にHBOドラマシリーズ「トゥルー・ディテクティブ」シーズン1で、プライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ主演男優賞にノミネートされた。
2019年の映画「ジェントルメン」で主演を務めた後、6年間ほど俳優を休業し家族との時間や回顧録の執筆活動に費やした。
2025年「ライバルズ・オブ・アムジア・キング」と「ロスト・バス」で俳優業へ復帰した。
2005年「ピープル誌」で“最もセクシーな男性”、2007年“最もセクシーな独身男性”に選ばれている。
1999年に、テキサスの自宅でマリファナ所持で逮捕歴あり。
過去に“サンドラ・ブロック”や“ペネロペ・クルス”などと交際している。
映画「インターステラー」の演技が素晴らしいので、まだ観ていない方には観ていただきたい。
ドラマ「トゥルー・ディテクティブ」シーズン1の演技はさらに凄いので、これもチェックしてもらいたいですね。
今後の“マシュー・マコノヒー”の作品が楽しみです!
キャスト
役名 | 役者名 | 説明 |
---|---|---|
ケヴィン・マッケイ | マシュー・マコノヒー | スクールバスの運転手 |
メアリー・ルートヴィヒ | アメリカ・フェレーラ | 小学校の教師 |
ショーン・マッケイ | リーヴァイ・マコノヒー | ケヴィンの息子(マシュー・マコノヒーの実の息子) |
シェリー・マッケイ | ケイ・マッケイブ・マコノヒー | ケヴィンの障害を持つ母親(マシュー・マコノヒーの実の母親) |
レイ・マルティネス | ユル・バスケス | カリフォルニア州消防局長 |
ルビー・ビショップ | アシュリー・アトキンソン | スクールバス車庫のボス(運行管理者) |
ジェン・キッスーン | ケイト・ウォートン | カリフォルニア州消防大隊長 |


感想
2018年に起きたカリフォルニア州北部の山火事“キャンプ・ファイア”、映画では当時の実際の映像を使い…現場にいた消防士も出演しているようです。
自分はカリフォルニアに5年ぐらい住んでいたので、山火事は珍しいことではないのは知っていました。
映画の中で教師が小学生たちに「いつもの山火事だから外は見なくていい」と言います。
冬のカリフォルニアではいつものことなので、この台詞はとても共感できました。
2025年1月にもLAで大規模な山火事があり、日本のニュースでも何度も流れていたのは記憶に新しい。
いつもサーフィンの波待ちで眺めていたマリブの高級住宅エリアが焼けて、大きな被害が出てしまったのには衝撃を受けた。
強風により驚くほど速く燃え広がる山火事の怖さ、その様子がこの作品でリアルに描かれていました。
住民が一斉に車で逃げようとするが、山には限られた道しかありません。
逃げたくても逃げれない…しかし、燃え盛る炎は待ってはくれない。
自分だったらどうするか…考えながら観ていました。
ケヴィン
母親と息子と山にある一軒家で暮らしているケヴィンは、スクールバスの新人ドライバー。
母親は障害を持っていて、15歳の息子は言うことを聞いてくれない。
家庭や仕事の悩みを抱えながら、いつものように子供たちを送迎していた。
そんな時に起きた最悪の山火事、22人の子どもたちの運命はケヴィンに託される。
中盤以降はほぼバスの中の映像なので、役者の演技に委ねられるような作品です。
ケヴィン役が“マシュー・マコノヒー”で良かった…と思いましたね。
母親役と息子役が、彼の本当の家族だと後で知って驚きました。
緊迫する状況の中で、大人がパニックになってはいけません。
子どもたちを落ち着かせつつ、冷静な判断で避難所へと向かわなければならない。
難しい演技だと思いますが、さすがは“マシュー・マコノヒー”といった感じでした。
ケヴィンは、「子供たちを助けられたら やり直せるかも」という希望を抱いていた。
“ダメな自分から脱出したい”…この燃え盛る炎から抜け出すことが、不甲斐ない自分からの脱出でもあったのです。
救出後にひっそりとその場を去るヒーロー、その姿がとてもカッコ良かったです。
メアリー
小学校の教師であるメアリーは、親が迎えに来れない22人の子供たちと共にケヴィンのバスに同乗する。
彼女も大人として…教師として冷静さを保たなければならない。
ケヴィンとはお互い初対面だが、彼を信用するしかない状況はなかなかハードである。
子供は大人の指示に従うしかないので、大人が的確な判断をしなければ子供の命が危険になります。
ケヴィンが「ここで待機する」と判断したとき…彼の決断も素晴らしかったが、それに困惑しながらも同調したメアリーもナイスだった。
あそこで反発して飛び出していたら、パニックになって子供たちが危険だったと思います。
恐怖や責任など様々な重圧に耐えながら、理性を保つメアリーがいい感じに演じられていました。
彼女を演じているのは“アメリカ・フェレーラ”という女優で、私は他の作品では観たことがありませんでした。
調べるとエミー賞やゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞していて、人気ドラマ「アグリー・ベティ」で主演している女優でした。
山火事の恐怖
カリフォルニアの気候は基本的に乾燥しているんですが、冬は特に乾燥して山火事がやたらと起こります。
そして、砂漠から“サンタアナの風”と呼ばれる強風が吹いてくる。
この風は、時速40マイル(64Km/h)から…場所によっては時速80マイル(130Km/h)にもなります。
“キャンプ・ファイア”の時も、時速35マイル(56Km/h)以上の風が吹いていて炎は急速に燃え広がった。
映画でも現場の風の強さはよくわかりますし、ヘリや飛行機からの空中消化も水が風に流されて炎まで届きません。
乾燥している上に強風で、あっという間に逃げ道がなくなってしまう。
煙で視界が悪く熱風が吹き荒れているなんて、想像するだけでも恐ろしいですね。
消防局が消火を諦めて、人命救助に全振りしたのは正しい判断だったのではないでしょうか。
昔行ったLAのユニバーサル・スタジオにある“バックドラフト”のアトラクションで、炎から離れているのにかなり熱かったことを覚えています。
バスの中と言えども、子供たちは相当熱かっただろうし怖かったと思います。
評価
Rotten Tomatoesでは2025年10月8日現在、トマトメーター(批評家)85% ポップコーンメーター(観客)94%
metacriticでは、メタスコア(批評家)65/100 ユーザースコア(観客)6.6/10
IMDbでは、IMDbレーティング 7.0/10 ユーザー評価 7.2/10
どのサイトでも、そこそこ高い評価を得ています。
主演の“マシュー・マコノヒー”と“アメリカ・フェレーラ”の演技が、作品の質を上げているのではないでしょうか。
当時の実際の映像や消防士などを起用し、山火事の怖さや臨場感を上手く表現していたと思います。


まとめ
2025年10月3日よりApple TV+で配信されているApple Original Films「ロスト・バス」
2018年11月にカリフォルニア州で実際に起きた山火事“キャンプ・ファイア”を題材にして、実話に着想を得て描かれたサバイバル・ドラマ。
“全米史上最悪の山火事”から22人の子供たちを救出するために、奮闘するスクールバスの運転手と教師の姿を描いています。
主演は映画「インターステラー」の“マシュー・マコノヒー”と、ドラマ「アグリー・ベティ」の“アメリカ・フェレーラ”です。
この2人の演技が素晴らしくて、作品に緊張感を生み出している。
マシュー・マコノヒーが好きな人には、ぜひ観ていただきたい作品です。
派手な演出があるわけでもないですが、山火事の恐怖をリアルに表現しています。
Apple TV+のみの視聴となっていますが、一度視聴してみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



11月22日は“マシューマコノ日”