映画の感想は人それぞれです。
映画を観て何を思おうが観た人の自由です。
人によって「何を感じたか」が違うのもまた、映画の面白さではないでしょうか。
このシリーズでは、私の個人的な感想を自由に書きたいと思います。
なお、ネタバレが含まれますので、内容を知りたくない方は注意してください。
無敵のジョン・ウィック
カッコいいよね〜
映画 JOHN WICK とは
映画.comより
ジョン・ウィック(原題:JOHN WICK)は、2014年に公開されたアメリカのアクション映画。
STORY
引退した“伝説の殺し屋”ジョン・ウィック。亡き妻から贈られた子犬を殺され愛車を奪われ、復讐のため再び裏社会の殺し屋へと戻っていく。
これまでになかった、超近接型のガン・アクションが話題となり大ヒット。
ガン・アクションと体術・カンフーを組み合わせた近接戦闘は「ガン・フー」という新たなジャンルを生み出した。
その後シリーズ化され、2017年に「JOHN WICK : チャプター2」2019年に「JOHN WICK : パラベラム」2023年に「JOHN WICK : コンセクエンス」が公開されました。
監督
監督はこの作品がデビュー作となったチャド・スタエルスキ
スタエルスキは「マトリックス」など、多くの映画でスタントやスタントコーディネートを手掛けていました。
黒澤明監督や三船敏郎、千葉真一など、日本の映画やアクションの影響を多く受けているようです。
どうりで日本刀やら鎧が出てくるわけだ
アクションに特化した監督なんだね
主演
キアヌ・リーブス(ジョン・ウィック役)
レバノンで生まれカナダで育ったキアヌは、映画「スピード」の大ヒットで国際的スターになりました。
その後、「マトリックス」シリーズと「ジョン・ウィック」シリーズが大ヒットしています。
幼い頃から千葉真一の大ファンで、多大な影響を受けているようです。
同じく千葉真一や日本映画の影響を受けているスタエルスキに、自ら「ジョン・ウィック」の脚本を持ち込んだ。
映画「ジョン・ウィック : コンセクエンス」
映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」オフィシャルサイトより
シリーズ4作目となった「ジョン・ウィック:コンセクエンス」
「コンセクエンス」は結果、帰結、結論という意味がありますが、この作品では「報い」という意味で訳されています。
「主席連合」への復讐を目的にジョン・ウィックはかつての友を巻き込み、友と闘いながら逃れられない宿命にあらがう。果たしてジョンは決着をつけることが出来るのか!?
監督は変わらず、チャド・スタエルスキ。
キアヌ・リーブスの他に日本の俳優「真田広之」と香港の俳優「ドニー・イェン」が出演しています。
シリーズ最長の2時間49分の作品となっています。
相変わらずの日本描写
「ハリウッドはまだ日本をそんな風に思っているのか」という描写がいろいろと出てきます。
残念ですがもう笑うしかありません。
大阪 コンチネンタル
前半にジョンは、昔の友人であるシマズ・コウジ(真田広之)のいる大阪のコンチネンタルホテルを訪れます。
まず、ホテルのロビーがおかしいんですよ。
ネオンはあるは桜の木はあるは…とりあえず日本っぽいものを詰め込んである感じ。
ホテルのフロントは着物のような洋服のような変な衣装。
日本の街のイメージがネオンなのかもしれないが、室内にはないですよね…。
しかも、スタエルスキ監督はよほどネオンが好きなのか、チャプター2やパラベラムでも似たような白いネオンが出てきます。
大阪の地下鉄内にもネオンがあったよ
どんだけネオン使いたいんだ
白いネオンの部屋
パラベラム(チャプター3) のニューヨーク コンチネンタルにもあった、ガラスケースに白いネオンで展示してある日本刀や鎧、着物、掛け軸など。
室内で弓射ってる人がいるし、的にも白いネオンで思わず笑ってしましました。
極めつけは、畳が一畳ガラスケースの中でライトアップ…
アメリカ人や他の外国人は何とも思わないのかもしれませんが、日本人は苦笑いです。
ここから「ジョン・ウィック:コンセクエンス」は私の中でどんどんコメディになっていきます。
バックヤード
キッチンを抜けたバックヤードではチンピラが酒を飲んでいます。
テーブルにはデカい酒がめ。
キッチンには相撲の番付が貼られています。
どういうこと?
そして、用心棒とみられる相撲取りが2人…。
「命は食にあり」という謎の暖簾(のれん)
相撲取りも好きなんだよね〜
誰が料理しながら番付を気にすんのよ
屋上
屋上に行くとまた桜の木や松の木、石燈籠(いしどうろう)まであり、隣のビルのネオン看板にはデカデカと「初志貫徹」と書かれている。
いや、そんな四字熟語のネオン看板なんて見たことねーし!
なんか奥のビルに「牧野」ってネオンもある…
誰かこれらを止める人はいなかったのだろうか…。
最初に決めた志を最後まで貫き通すこと
たまに日本語
シリーズ全体を通してそうなんですが、日本人役の俳優がたまに日本語でセリフを言います。
他の外国人もずっと英語で喋っていたのに、たまに自国の言語でセリフを言うんです。
シマヅが娘と話すのに英語なのはおかしいし、いきなり日本語で話しかけたと思えばそれを英語で返す。
観てるこっちは混乱します。全て英語か全て日本語の方がいいのでは?!
オレハ オナジ コロシノ タツジン!
パラベラムで敵役がいきなり言ってたね
シマヅがジョンに最初から日本語で話しかけます。
え?ジョンは日本語がわかる設定なの?
その後、ジョンは日本語で「メイワクヲカケテ スミナイ」と言います。
「やっぱりさっきの日本語わかってないなー」と日本人なら思うでしょう。
ホテルでの戦闘
ホテルに主席連合の部隊が現れ、激しい戦闘になります。
バックヤードにいたチンピラたちが、冷蔵庫を装った武器庫を開けて武器を取り出します。
え?日本刀!?ゆ、弓!?しゅ、しゅ、手裏剣??
相手は銃ですけど…
いつまで日本のイメージは戦国時代と忍者なんだよ!
矢をつがえる間に撃たれちゃうよ
近接格闘で弓で殴ってたしね
いき過ぎた演出
映画だからと割り切ればいいのかもしれませんが、それにしても映画を超えて漫画のような演出は少し気になりました。
盲目の暗殺者
盲目の男ケイン(ドニー・イェン)が現れます。
矢は避けるし打撃は正確無比。初めは人感センサーを壁などに付けて、音で居場所を判断して銃を撃っていました。
しかし、それ以降は一切使わずに弾は避けるはポーカーはするは…あなた見えてますね?
座頭市に影響を受けたのか、完全にあり得なくてやり過ぎです。
無敵のスーツ
チャプター2でスーツを仕立てる時に説明があるんですが、防弾スーツが登場します。
「セラミック基複合材と炭化ケイ素を重ね合わせた、最新式ボディアーマーを裏地に縫い込みます」と。
チャプター2やパラベラムでは割と控えめにスーツを盾にするんですが、コンセクエンスではけっこう多用します。
至近距離だし、さすがにやり過ぎ感が出てしまします。
相撲取りも腕で弾丸を弾いてたよね
あれは何だったんだ…
無関心な人々
ベルリンのナイトクラブ「天国と地獄」で戦闘が始まり、目の前で人が撃たれて倒れたり斧を振り回しているのに、周りの人たちは普通に踊っています。
と思いきや、キリのいいところで急にみんな逃げ出します。
さっきまで気づいてなかったの??
パリの凱旋門の戦闘では、銃撃戦で人がバタバタ倒れているのに車が全く止まりません。
人をひいたのに、車が何事もなかったかのように去っていきます。
目の前で人が死んでも全く無関心な世界の話なのか、現実と同じなのかどちらかハッキリさせて欲しいですね。
老いたジョン・ウィック
キアヌ・リーブスは現在59歳、撮影当時は57歳ぐらいでしょうか。
年齢的にあのアクションが出来るのは十分に凄いんですが、さすがに動きのキレが悪くなっていました。
足がついていっていない感じです。
ドニー・イェンは60歳、真田広之は63歳、ウィンストン役のイアン・マクシェーンは81歳。
還暦のおじさん達が体に鞭を打って挑んだアクション映画ですね。
まとめ
最終シーンとその前の階段のシーンには、あえて触れないでおきましょう。
シリーズ化された映画にはよくあることですが、「ジョン・ウィック」も「ワイルド・スピード」と同様にいき過ぎてしましました。
チャプター3のパラベラムまでは良かったんですけどね。
“映画だから”とか、“日本向けに作ってるわけではないから”と割り切れば面白いのかもしれません。
もしくは、おかしなところを把握した上で観るのもまた面白いという考えもあります。
ツッコミどころ満載のアクションコメディになってしまった「ジョン・ウィック」
個人的には残念でした。もう少し現実に近づけて欲しかったです。
もうシリーズ完結したかと思ったら、コンセクエンス公開前には既にスピンオフやチャプター5の制作が決定していました。
この調子では心配なので、スタエルスキ監督にはどうか原点回帰してらいたいものです。
超近接ガン・アクション “ガン・フー” がカッコいい「ジョン・ウィック」シリーズ
ぜひ、チャプター1から観てみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました
ナガクナッテ スミナイ