またまたやってきました“サメ映画”です!
今回はアメリカではなくフランス。
しかも、海ではなくパリに流れるセーヌ川に…
これは“正統派サメ映画”なのか?それとも“お馬鹿サメ映画”なのか?!
さっそく試聴しましたので、レビューをお届けします!
変なタイトル
何かもっといい“日本語タイトル”なかったのかよ
NETFLIX映画「セーヌ川の水面の下に」
Filmarks&JustWatchより
「セーヌ川の水面の下に」(原題:Sous la Seine 英題:Under Paris)は、2024年公開のNETFLIX制作のフランス映画。
2024年6月5日よりNETFLIXで独占配信されています。
STORY
生物学者であるソフィアは、北太平洋で研究対象であったサメの“リリス”に仲間を殺されてしまう。事件から3年後、ある環境活動家によってリリスがパリのセーヌ川に現れたと報告を受ける。セーヌ川では、トライアスロンの大会が行われることが決まっていた。大惨事を回避するため、ソフィアたちが動き出す。
監督:サヴィエ・ジャン
上映時間:104分
川にデカサメかぁ
しかし、汚ねぇ川だなぁ
感想
この映画のサメは7m程で「MEG ザ・モンスター」などと比べると、そんなに大きなサメではありません。
迫力で勝負できない分、“見せ方”(演出)で勝負しなければいけません。
“リリス”が序盤で暴れてから、その後は「出てきそうで出てこない」という感じで焦らされます。
「ジョーズ」的な見せ方で焦らされ、最後に大暴れするという展開です。
“お馬鹿サメ映画”ではなく、“正統派サメ映画”と言っていいでしょう。
セーヌ川
全長780kmのセーヌ川は、フランスではロワール川に続き2番目の長さ。
上下水道が発展する前は、何度も疫病が発生し大量の死者を出していたようです。
その水質は最悪で、1923年には既に遊泳禁止になっています。
パリのセーヌ川は“道頓堀の6倍以上汚い”なんて記事もあるくらい深刻です。
映画を観ていると、目視でその汚さがわかります。
トライアスロン大会
映画ではセーヌ川で“トライアスロン大会”が開催されます。
その前に“サメをなんとかしろ”という話。
「水の浄化には成功したから泳げます」と知事はアピールします。
見た感じ成功してなさそうですけどね…笑
トライアスロン選手として泳いだ人たちは嫌だったでしょうね…なんて想像してしまいます。
パリ・オリンピック
実はこのセーヌ川は、2024年開催のパリ・オリンピックの開会式、トライアスロン、マラソンスイミングで使用されます。
映画内でもトライアスロン大会は“オリンピックのショーケースになる”と知事が言っている。
現実のパリ・オリンピックとかけていて、実際にパリはセーヌ川の水質改善に取り組んでいます。
もう直ぐですけど…オリンピックに間に合うのでしょうか!?
映画の最後のシーンは“パリ・オリンピックなんて上手くいかねーよ”とでも言いたいのかな?なんて思ったりもしました。
水質改善は間に合うかな?
映画みたいに誤魔化さないよな…
バカな知事
川にサメが出ようが何が出ようが、とにかくイベントを成功させたいパリの知事。
既に大勢が喰われて被害が出ていても、大会を中止せずSNSでも誤魔化そうと考える。
17億ユーロという大金をかけ、オリンピックにも繋がる大事なイベントだから。
映画で知事や政治家が、選挙やイメージを優先して“間違った選択をする”という描写は多いですよね。
おそらく、日本も含め世界中で知事など政治家が“バカな発言や事件”などを起こしてるということでしょう。
この映画を観たほとんどの人が“この知事はサメに喰われてしまえ”と思ったのではないでしょうか。
彼女の最後に関しては…“ざまあみろ”とだけ言っておきましょう。
地下水路
パリ市内を流れるセーヌ川から派生した、地下水路や地下墓地、貯水池などがパリの地下にはあります。
パリには行ったことがないし、地下に水路が張り巡らされているのはこの映画を観て初めて知りました。
そこにサメが入ってきてしまうわけです。
普通なら人がいないから被害は出ないはずなんですが、環境活動家が無理矢理オーディエンスを連れて行きます。
そこで大パニック!われ先に逃げようと人を水に落としまくる。
酷過ぎて笑えます。
海洋保護団体(SOS)
SOS(Save Our Seas)という海洋保護団体が出てきます。
そこの“ミカ”という出しゃばりな女がウザい。笑
勝手にソフィアたちの追跡システムに侵入するわ、サメと意思疎通が図れるなんてぬかすわ…
「MEG ザ・モンスターズ2」の中国人を思い出しました。
まあ、最後は自業自得です…
環境問題
研究対象であったサメの“リリス”は、数ヶ月で体長が3倍になり淡水にも対応できるようになりました。
映画では「気候変動と環境汚染で行動が変わった」と言っています。
“ゴジラ”が核兵器によって巨大化したように、“リリス”も環境汚染の影響を受けたということでしょう。
冒頭で太平洋のある地域がゴミで埋め尽くされていたように、この映画でも環境汚染問題に注目しています。
世界では日本人の感覚を遥かに超えた“ゴミ意識やゴミ問題”があるのだと思います。
日本ほど街にゴミが少なく、キレイなところはなかなかありませんから。
リリス大暴れ
ずっと焦らしてきた“リリス”が最後に大暴れします。
船を“バッコーン!”と吹っ飛ばし、トライアスロン大会地区の境界線のネットもお構いなし。
あのネットは、結構な障害になると思うんだけど…
ネットが引っ掛かっているのに、トライアスロン選手を喰いまくる。
アホな軍が銃を撃ちまくり、伏線を張ってあった不発弾が大爆発で大パニック!
絶望のラストシーン
ここはあえて書きませんが、水上警察のアディルの台詞“もう終わりだ”
これが全てを物語っています。
非常に斬新な終わり方ですが、全てが放ったらかしです。
あとは“想像にお任せします”とオーディエンスに丸投げ。
続編を希望する人もいるかもしれませんが、私はこれで終わりでいいと思っています。
トライアスロン大会は大失敗だしパリは大惨事、知事や県知事もいないし…オリンピックどころではありません。
これは、何か隠れた(隠している)大問題があって“パリ・オリンピックは開催すべきではない”ということを示唆しているのかも!?
…なんて勘ぐってしまいます。
まとめ
パリのセーヌ川に巨大ザメが現れる、フランス版サメ映画「セーヌ川の水面の下に」
NETFLIXで独占配信・見放題となっています。
もっといい“日本語タイトル”はあったはずなのに、なぜこれに決まったのでしょうか。
英題の“UNDER PARIS”の方がまだいいですね。
現れそうで現れないサメの“リリス”に焦らされ、それなりにドキドキします。
最後には大暴れし大惨事を招き、斬新なラストシーンへ!
誰も予想していなかった、こんな結末があってもいいのではないでしょうか。
“どんな結末を迎えるのか”は、ぜひご覧になって確かめてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました
もう終わりだ…