2024年公開の「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」を観る前に、2000年公開の前作「グラディエーター」を観ることにしました。
もう25年も前の映画だなんて…信じられません。
時が経つのって本当に早いですよね…
2000年に観たラッセル・クロウの「グラディエーター」ですが、内容は何となくしか覚えていませんでした。
第73回アカデミー賞と第58回ゴールデングローブ賞の作品賞を受賞した名作!

これは楽しみ!



ワクワク…


映画「グラディエーター」
ナタリー& Amazon.co.jpより
グラディエーター(原題:GLADIATOR)は、2000年に公開されたアメリカ製作の歴史映画。
監督はリドリー・スコット、主演はラッセル・クロウで製作されたこの作品は、アカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞など…数々の授賞式で賞を独占した。
STORY
古代ローマ帝国時代。第16代ローマ皇帝“マルクス・アウレリウス”は、勇敢な将軍“マキシマス・デシムス・メリディアス”に次期皇帝の地位を約束していた。しかし、それを知ったアウレリウスの息子“ルキウス・アウレリウス・コモドゥス”は、父親である皇帝を殺害しマキシマスに反逆罪をなすりつけ処刑を言い渡す。処刑を逃れたマキシマスは故郷に帰るが、家族は既にコモドゥスの手に落ち殺害されていた…。全てを失ったマキシマスは、奴隷商人に買われ「グラディエーター」(剣闘士)として戦い続ける身となる。そして、ローマが誇る巨大コロシアムに出場する!
監督:リドリー・スコット
上映時間:155分



カッコいい!



これぞ英雄!
監督
リドリー・スコット
サー・リドリー・スコットは、イングランドのタイン・アンド・ウィアのサウス・シールズ出身のイギリスの映画監督、映画プロデューサー。
3人兄弟の次男として生まれ、ウエスト・ハートブール美術大学でグラフィックデザインや舞台美術を学ぶ。
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに進学し、卒業後にBBCにセット・デザイナーとして入社する。
テレビディレクターに限界を感じ退社、CF制作会社を設立し1,900本以上のCFを製作し多くの賞を受賞する。
1977年に映画「デュエリスト/決闘者」で監督デビューし、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞。
1979年「エイリアン」が世界的大ヒットとなり、アメリカに拠点を移す。
1982年「ブレードランナー」でコアなファンを獲得し、1989年「ブラック・レイン」が大ヒット、1991年「テルマ&ルイーズ」で初のアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
2000年「グラディエーター」が大成功し、アカデミー賞とゴールデングローブ賞で作品賞を受賞。
2001年「ブラックホークダウン」、「ハンニバル」で2年連続のアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
2007年「アメリカン・ギャングスター」、2015年「オデッセイ」、2017年「エイリアン:コヴェナント」、2023年「ナポレオン」、2024年「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
映画「トップガン」を監督した“トニー・スコット”は実の弟である。
2003年にイギリス映画産業への貢献を認められ、“ナイト”の称号を授与された。
初めて「エイリアン」を観たときは、その恐ろしさに衝撃を受けたのを覚えています。
「ブラック・レイン」や「テルマ&ルイーズ」など、けっこうリドリー・スコット監督の昔の作品は観ていました。
弟の“トニー・スコット”監督の死は残念でした…リドリー・スコット監督は既に高齢ですが、最後まで素晴らしい作品を作り続けて頂きたいです。
主演
ラッセル・クロウ(マキシマス・デシムス・メリディアス役)
ラッセル・アイラ・クロウは、ニュージーランド・ウェリントン出身の俳優。
4歳の時にオーストラリアに移住し、6歳で子役としてキャリアをスタートさせる。
1990年「ザ・クロッシング」で映画デビューし、1995年「クイック&テッド」でハリウッドに進出する。
1997年「L.A.コンフィデンシャル」で注目を集め、1999年「インサイダー」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
2000年「グラディエーター」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、2001年「ビューティフル・マインド」でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。
2005年「シンデレラマン」、2007年「アメリカン・ギャングスター」、2010年「ロビン・フッド」、2023年「ヴァチカンのエクソシスト」
俳優として成功したラッセル・クロウだが、私生活では短気で素行が悪いことで有名である。
“メグ・ライアン”との不倫やマンハッタンのホテルでの暴行容疑、インタビュー中に暴言を吐いて帰る…など、数々のトラブルが報じられている。
ラッセル・クロウは「グラディエーター」の印象がとても強くて、他の映画のキャラクターが思いつきません。
せっかく俳優として成功したのに、普段の態度が悪いのはもったいないですよね。
最近の作品は全く観ていないので、「ヴァチカンのエクソシスト」でも観てみようかなと思っています。
キャスト
役者名 | 役名 | 説明 |
---|---|---|
ラッセル・クロウ | マキシマス・デシムス・メリディアス | ヒスパニア出身で、勇敢なローマ軍の将軍 アウレリウス皇帝から絶大な信頼を得ている |
ホアキン・フェニックス | ルキウス・アウレリウス・コモドゥス | アウレリウス皇帝の息子で野心家 皇帝である父親からは、後継に相応しくないと思われている |
コニー・ニールセン | ルッシラ | コモドゥスの姉で、若い頃にマキシマスと恋人関係だった 何をしでかすかわからない弟に恐怖を感じている |
リチャード・ハリス | マルクス・アウレリウス | 第16代ローマ皇帝で、“賢帝”と呼ばれた老帝 マキシマスを次期皇帝に選び、ローマを君主制から共和政へと移そうとしていた |
スペンサー・トリート・クラーク | ルキウス・ウェルス | ルッシラの息子で、コモドゥスの甥 |
トーマス・アラナ | クィントゥス | マキシマスの同僚のローマ軍の将軍 |
デレク・ジャコビ | グラックス議員 | 元老院議員で皮肉屋、コモドゥスの独裁体制を止めたい |
ジョン・シュラプネル | ガイウス議員 | 元老院議員で、ローマの共和政の復活を望んでいる |
デヴィッド・スコフィールド | ファルコ議員 | 元老院議員で、コモドゥスを利用して権勢を得たい策謀家 |
トミー・フラナガン | シセロ | マキシマスの従者 |
オリヴァー・リード | アントニウス・プロキシモ | かつては“グラディエーター”だった剣闘士団の団長 |
ジャイモン・フンスー | ジュバ | ヌミディア人の奴隷で、マキシマスと共に剣闘士として闘う |
ラルフ・メラー | ハーゲン | ゲルマニア人の奴隷で、冗談が好きな剣闘士の大男 |
デヴィッド・ヘミングス | カッシウス | コロッセウムの支配人で、剣闘士競技の責任者 |
スヴェン=オーレ・トールセン | ティグリス | “ガリアの虎戦士”という異名を持つ剣闘士 |


感想
久しぶりに観ましたが、「さすがは名作!」といった感じでした。
話も単純でわかりやすく、マキシマスの英雄ぶりに震えます。
「グラディエーター」の古代ローマや「ブレイブハート」の中世ヨーロッパなど、昔は侵略や王の命令で無慈悲に人が殺されていたんだろう。
身分の低い人たちはただただ無力だった…なんて理不尽で哀しい時代…。
散々、王のために命を懸けて戦ってきた“将軍”も、王の一声で奴隷にまで落ちてしまう。
観ている側はマキシマスに共感し、コモドゥス王が憎くて仕方がなくなる。
映画の中でコロッセウムにいる人たちと同じように、マキシマスを自然と応援します。
グラディエーターの闘いは、非常に臨場感があって迫力もある。
25年経っても色褪せていない映画でした。
マキシマス
ローマ軍の“将軍”として、兵士たちからリスペクトされているマキシマス。
自ら先頭に立って敵陣へと向かう…勇敢な戦士であり頼れるリーダーです。
部下に指示を出し、自分は最後尾にいるようなリーダーではありません。
会社でも同じく、誰よりも一番動くリーダーの方が尊敬できますよね。
そんなマキシマスは、皇帝からも絶大な信頼を寄せられています。
「この男にならローマを任せられる」と、我が子を差し置いて次期皇帝に指名したいと考える。
ところが、コモドゥスの画策により“反逆罪”として処刑が決定してしまう。
こうなってしまうと、同僚のクィントゥスでも止められず…誰も皇帝には逆らえません。
間一髪で処刑は免れるも、家族を殺されてしまい…絶望するマキシマス。
家族に手を出すなんて卑劣過ぎますよね…
漫画などでもよくあるパターンですが、こういうことが普通に起こっていた時代なのでしょうか。
奴隷となったマキシマスはプロキシモに買われ、死ぬまで闘い続ける“グラディエーター”となる。
いつでも不利な状況で闘うグラディエーターたち、マキシマスはリーダーとなり指示を出します。
新入りながら的確な指示を出す姿が素晴らしく、ローマ軍を倒すシーンは爽快だった。
マキシマスは観衆を魅了し、英雄となっていき…やがて復讐の機会を得る。
砂を手に取り擦り付ける仕草、これがカッコいいんですよね。
彼こそが英雄であり、男の中の男…といった感じ。
巨大なローマ帝国の圧力にも屈しない、彼の信念は素晴らしいものです。
「ブレイブハート」の“ウィリアム・ウォレス”もそうですが、信念を貫き通す生き方は非常にカッコいい!
理不尽な世の中だからこそ、私も“信念”を持って生きたいと思う。
コモドゥス
野心家で小賢しい故に、父からも信頼されていないコモドゥス。
シスコンなのか…やたらと姉の“ルッシラ”に甘える姿が気持ち悪い。笑
“ホアキン・フェニックス”が、この「クソ野郎」を見事に演じています。
自分よりも父に愛されるマキシマスに嫉妬し、とんでもないことをしでかす男。
絵に描いたような卑怯者ぶりが、逆に気持ちよく感じてしまう程の悪役。
こんな男が最高権力者になれば、国は滅茶苦茶になり無駄な死が増えてしまう。
ところが、彼は実在した第17代ローマ皇帝“コンモドゥス”がモデルとなっています。
独裁政権を続けたコンモドゥスは、最後には剣闘士により暗殺されました。コンモドゥス
彼の独断により、どれだけの人が殺されたのか…想像したくもありません。
マキシマスは“復讐”と同時に“ローマ帝国のため”にも、コモドゥスを殺らなければいけませんでした。
ルッシラ
コモドゥスの姉であり、かつてはマキシマスも愛したルッシラ。
平民であるマキシマスとは、身分の差から結婚できず…マルクスの共同皇帝“ルキウス・ウェルス”と結婚した。
弟を大切に思う姿を見せるが、何をしでかすかわからない弟に怯える。
何より息子の“ルキウス”に手を出されることを恐れていた。
グラディエーターの1人がマキシマスだと気づいたルッシラは、ある計画を思いつき実行することとなる。
ルッシラは史実上は実在しましたが、映画の中ではフィクションとして描かれています。
史実では、コモドゥスより先に亡くなっている。
彼女は「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」にも登場します。
映像
古代ローマの街並みやコロッセウムは、CGと実物大のセットで作られている。
非常に自然で違和感など感じませんし、当時のリアルを観ているよう。
武器や防具、衣装、家具など、小道具は全てこの映画のためにオーダーメイドで作られました。
他の歴史映画などからの使い回しは一切なかったと言われています。
これらを考えると、相当の労力とお金が掛かっていることが推測できますね。
彼らスタッフの努力が、あの素晴らしい映像を生み出したということです。
プロキシモ
奴隷となったマキシマスを買い、グラディエーターとして修行を積ませたプロキシモ。
かつては、自身もグラディエーターとして活躍していました。
マキシマスの才能に目をつけ、稼ぎまくるウハウハなプロキシモ。
最初は渋っていたが、最後にはマキシマスに協力してくれます。
プロキシモを演じた役者“オリヴァー・リード”は、なんと撮影終了間際に病死してしまったようです。
そのため、彼の終盤のシーンはCGによって誤魔化され…刺殺されるシーンは代役が行い顔が見えないようになっている。
残念ながら…この作品が彼の遺作となってしまいました。
私も記事を書くまで、この事実については全く知りませんでした。
ご冥福をお祈りします。
剣闘士
ローマ軍に敗れ奴隷となり、“見世物”とされていた剣闘士たち。
コロッセウムで戦闘が再現され、ローマ軍が勝つことで観衆が沸く。
こんな野蛮なことが、実際に行われていたというのが驚きですね。
剣闘士は闘い続け、いつ死んでもおかしくない。
この作品で、マキシマスと共に闘う剣闘士たちがいいんです。
彼らはマキシマスを信頼し、その指示に従い闘います。
死んでいった仲間もいるが、最後には彼に救われることとなる。
最後のコロッセウムのシーンは、とても感動的で涙が溢れてきました。
評価
Rotten Tomatoesでは、トマトメーター(批評家)80% ポップコーンメーター(観客)87%
metacriticでは、メタスコア(批評家)67/100 ユーザースコア(観客)8.7/10
IMDbでは、IMDbレーティング8.5/10 ユーザー評価8.5/10
どのサイトでも、特にユーザーの評価が高くなっています。
この作品は“名作”といって間違いのない映画でしょう。
多くの人に感動を与える作品だと思います。


まとめ
2000年に公開された、リドリー・スコット監督の名作「グラディエーター」
ラッセル・クロウ主演で、ローマ軍の将軍から奴隷に落ちながらも…“グラディエーター”となり復讐を果たす英雄の姿を描いています。
当時の風景がリアルに再現され、コロッセウムでの闘いは迫力満点です。
巨大なローマ帝国に立ち向かうマキシマスの姿は、観ている私たちを感動させ心を震えさせる。
史実を基に作られたフィクションですが、一生に一度は観て欲しい作品です。
メル・ギブソン監督・主演映画「ブレイブハート」のように、信念を持って生きることの大切さやカッコよさを教えてくれる。
まだ観たことのない人はぜひ一度、観たことのある人ももう一度観てみてください!



最後まで読んでいただきありがとうございます



力と名誉を!